自らと同じ26才の女性役は、自分自身にも影響を与えたという


大島:そんなことないです。仕事をきちんとこなしている、というところは共通点があるなと思いましたけど…。ただ、鉢子は後輩に対して嫌々教えているところがあると思うんですが、私は…。んー、自分を客観視して後輩に教えている姿がどんな感じなのかわからないですね。

――映画でイチ押しのシーンは?

大島:良く聞かれるんですが、難しいですね。全部好きなんです! 1シーン1シーンがポストカードになるようなタナダさんの色使いとか、カメラワークとか…。逆に、どこがお好きでしたか?

――ラブホテルで朝を迎えた日の鉢子の顔がスッピンっぽくてナチュラルでかわいかったですけど。

大島:えー!? あのシーンですか! 確かにスッピンです。でも、すごくむくんでいたんですよ。顔がパンパンです(笑い)。私としては、あの辺りやあくびしているシーンはすごく酷い顔だなと思いました(笑い)。でも、そこを引き出していただけたのはうれしかったです。なかなかこういう顔はスクリーンで映してもらえないと思うので。新しい側面をタナダさんに引き出していただきました。恥も外聞もなくできました(笑い)。

――ラブホテルのシーンは実際に営業していたところを使って撮影したそうですね。

大島:そうなんです。貸し切りではなかったので、エントランスのシーンは本当に利用されている方がいらっしゃいました。車が到着すると、みんなで「車が来た!」って陰に隠れて息を殺していました。お客さんがいなくなったら撮影再開です(笑い)。結構、何組かお客さんがいらっしゃったので、その度に撮影を中断しました。何しろそのホテルは各部屋のインテリアが凝っていて、有名なんだそうです。“森の中”にあって、楽しい撮影でした(笑い)。

――映画では、鉢子の母に対する複雑な感情がいろんなところでよく表されていました。大島さん自身の気持ちと重なるところはありましたか?

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