ライフ

夏の朝カレーは心身にプラス 痩身、老化防止、疲労度軽減も

夏の朝カレーの利点とは?

 夏になると、なぜだか無性に食べたくなるカレー。代謝を上げて痩せ体質になると「朝カレーダイエット」が以前話題になったが、“夏の朝カレー”にはたくさんのメリットがある。

 インドのほか、中国や日本でも健胃や胆汁の分泌促進などの薬効が古くから伝えられるウコン(ターメリック)をはじめ、ニンニク、ショウガ、カルダモン、唐辛子、コリアンダー、クミン、フェンネル、クローブ、オールスパイスなど、カレーに使われている多数のスパイスには、さまざまな効能が伝えられている。

 なぜ朝カレーを食べるといいのか。「朝カレーダイエット」の仕組みは、カレーに含まれるカルダモン、オールスパイス、クローブといったスパイスが交感神経を優位に切り替えて、唐辛子やショウガ、ウコンなどが血流促進や新陳代謝を促すことで痩せやすくなるというもの。カロリーが高く、ダイエットに不向きと見られていたカレーがダイエット法になる理由を、フードコーディネーターで食と健康アドバイザーの南恵子さんはこう語る。

「あくまでカレー粉に含まれている特定成分の作用ですが、ショウガのショウガオールやジンゲロール、唐辛子のカプサイシンといった辛味成分が血行を促進して、交感神経を刺激して代謝を促します。これにより、エネルギー消費も高まり体を温めると考えられています。脳に働き副腎のアドレナリン分泌を高めることで、脂肪の蓄積抑制作用があるのではとも言われています」

 暑さでぼんやりとした頭と体をしっかりと目覚ませ、活動モードに切り替えてくれる。また、活力の元となるアドレナリンの分泌促進は、うつ病への効果も期待されているという。

 肝臓の働きを助け、二日酔い予防にいいとされるウコンが含まれていることもよく知られるが、カレーはアルツハイマーも予防すると注目されている。過去に米ピッツバーグ大学の研究チームが米国ペンシルバニア州に住む高齢者とインド人のアルツハイマー有病率を比較調査したところ、インド人は米国人の約4分の1しかなかったと発表。後に、金沢大大学院・神経内科の研究チームが、ウコンの主成分のクルクミンは、アルツハイマーを予防する可能性があるとの研究報告を出した。

「インド人にアルツハイマーの有病者が少ないのは、インド人の伝統食に使われているスパイスと関係があるのではないかという点に着目し、金沢大学のチームが研究していました。アルツハイマー病は、脳内でアミロイドβという物質が神経細胞を殺してしまうために起きることが明らかとなっていますが、ウコンに含まれるクルクミンという物質には、その蓄積を抑える働きが考えられるとの結果が動物実験により出ています。クルクミンの抗酸化作用や抗炎症作用が、発症のリスクを下げるのではないかと考えられます」(南さん、以下「」内同)

 カレーのスパイスに含まれる成分には、老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用もある。悪玉コレステロールを減少させるなど、生活習慣病や老化の抑制に働きかける成分も認められているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン