日本株の中でも、特に市場関係者の注目を集めているのが「JPX日経インデックス400」に採用された銘柄である。
JPX日経400とは昨年1月、日本取引所グループ、東証、日経新聞が算出を開始した株式指数。銘柄の採用にあたっては、「営業利益」に加え、「ROE(株主資本利益率)」や「独立した社外取締役の選任」「決算情報の英語開示」などを重視する。東証上場銘柄の中から400銘柄が選ばれ、選定基準は「コーポレートガバナンス・コード」などで政府が目指す方向性と一致する。
日銀は昨年10月末の追加緩和でJPX日経400に連動するETF(上場投資信託)の買い入れを決め、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も同指数の採用銘柄への投資を明確にしている。JPX日経400はいわば「公的マネーが流入する銘柄」である。カブ知恵代表の藤井英敏氏が解説する。
「JPX日経400に連動して運用される資産は、算出開始から1年で2兆円以上になりました。そのうち、株式市場で“5頭のクジラ”といわれる日銀、GPIF、共済年金、かんぽ生命、ゆうちょ銀行の公的資金が相当な割合を占めていると考えられ、今後もそうしたマネーがどんどん流入する可能性は高いといえます」
市場関係者の間では、公的マネーの後追いで、国内外の機関投資家などが同指数の採用銘柄を買い進めると予想される上に、今のタイミングこそ「好機」とみられている。
JPX日経400には年1回の入れ替えがあり、それがこの8月末に実施される。選ばれた企業は「魅力の高い優良銘柄」のお墨付きを得たことになる。東証と日経は入れ替えに先立って、400の構成銘柄から42銘柄を除外し、新たに43銘柄を採用すると発表した。前出・藤井氏が次のようにアドバイスする。
「新たに採用された銘柄に対しては新規の組み入れニーズが発生するため、値上がりが期待される。400銘柄の中でもとくに今回の入れ替えで加わった“新入生”に注目すべきです」
新規採用43銘柄のうち、成長性が高く、特に値上がりが期待できると考えられる銘柄を藤井氏にあげてもらった。
「最も注目すべきは料理レシピ専門サイト最大手のクックパッドです。主婦層に圧倒的な知名度を誇るだけではなく、料理レシピをネットで検索するというビジネスモデルは国際的にも通用する」
8月末の入れ替えという「年1回の大チャンス」は目の前にある。
※週刊ポスト2015年9月4日号