「足が速いだけではなく、打球に対する反応が素晴らしい。だから落下地点に早く入ることができる。回転数の速い走りではなく、足の長さを生かしたストライドの大きな走り。まるでメジャーリーグの外野手を見ているようでした。スーパープレイヤーであるイチロー選手と比べるのは酷ですが、メジャーでも通用する身体能力はあると思います」(加来さん)
オコエ選手とはタイプも学年も異なるが、1年生でありながら大会ナンバーワンスラッガーとして注目された清宮選手はどうか。今夏の甲子園では5試合で打率.474、本塁打2、打点8と申し分ない結果を残している。
「清宮選手に関しては、まだ判断しかねる部分があると思います。打球の角度を見ていると、横浜の筒香嘉智選手や西武の中村剛也選手のような、天性のホームランバッターとは少し違う。それよりもむしろ、広島や阪神で活躍した金本知憲さんのように、ライナー性の速い打球を飛ばすことが得意な中距離砲タイプかもしれません。ホームランバッターというのは、子供の頃から打球を高く上げて遠くに飛ばすバッティングをしていて、それが自然に身についています。清宮選手の場合、木のバットで打った時に果たしてあの弾道でホームランを量産できるかどうかどうか。ただ、あれだけド派手な舞台でホームランを2本打ったというは事実は大きい」(加来さん)
いくら怪物とはいえ、まだ高校1年生。今後もさらに化ける可能性があることを考えれば、現時点での評価は早計なのかもしれない。それよりも心配されるのは守備だ。重箱の隅をつつくようだが、守備に不安があるのではないかという声があったのも事実。