抗日戦争勝利70周年を記念した軍事パレードが9月3日、北京で行なわれた。共産党政権の樹立以来、軍事パレードは15回目だが、建国記念日(10月1日)以外では初めてとなる。
まさに記念すべき国家イベントのはずだが、北京市内はさながら“戒厳令”の様相を呈していた。
戦車や弾道ミサイルが走行した目抜き通りの長安街では、前日からデパートやコンビニなどの商業施設、レストランなどがすべて休業。街頭から市民の姿は消え、目に付くのは警戒にあたる武装警察の姿ばかり。現地で取材にあたったジャーナリスト・相馬勝氏が語る。
「パレードが行なわれる大通りに面した主要なホテルは営業を停止していました。外資系ホテルで一部営業しているところもありましたが、表通りに面した部屋はすべて使用禁止。おまけに、式典前日の夕方からホテルの門が閉じられ、滞在客はパレードが終わるまで半日以上も“外出禁止”の状態となりました。これまでの軍事パレードと比べても異常なまでの警戒ぶりです」
その他にも中国国内では8月中旬からドローンの販売が停止され、小型ヘリや熱気球などの飛行も禁止された。前日からは市内の約260路線のバスが運休になり、当日午前は北京の2つの空港で民間機の発着がストップ、地下鉄の駅も封鎖された。
※週刊ポスト2015年9月18日号