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ステップファミリー うまくいくのは妻のみ連れ子のケース

 晩婚、離婚、再婚と、結婚にまつわる形態が多様化する現代。今や3組に1組が離婚し、4組に1組が再婚するといわれるが、子連れで再婚する割合が増えていることも、想像に難くない。このような、再婚により血のつながりがない親子でつくり上げる家庭を“ステップファミリー”と呼ぶ。

 一口にステップファミリーといっても、夫婦のどちらかにだけ実子がいる、どちらにも実子がいる、夫婦のどちらかが初婚と、状況はさまざま。アメリカでは広く浸透している言葉だが、日本では12%と、認知度は低い(2013年に新日本法規出版が行った「結婚/婚姻に関する意識調査」による)。

「ステップファミリーは日本でも増えています。しかし、ステップファミリーが抱える問題を相談できる機関がほとんどないのが現状です」

 こう話すのは、ステップファミリーと一人親家庭を支援するために活動している、NPO法人M-STEPの理事長、新川てるえさん。

「日本では、再婚も初婚もただ結婚としてひとくくりに捉えられているので、ステップファミリーという家族形態の認知度が低い。それで相談機関もないのです」(新川さん。以下「」同)

 初婚は夫婦ふたりが一から家庭を築いていくが、どちらか一方、あるいは両方に最初から家庭が存在する子連れ再婚は、全く別ものだ。

「ステップファミリーで比較的うまくいくのは、妻に連れ子がいて、夫にはいないケース。逆に難しい場合もあります」

 その難しいケースをあげてもらった。

【1】初婚で継母になる

 生まれてすぐの子供ならまだしも、小学校高学年くらいになると反抗もするから、継母になるのは、子育ての経験のない未婚女性にはストレスが大きすぎる。

【2】妻の死別による再婚

 亡くなった妻の墓、仏壇、親戚づきあいなど、生き別れにはない問題が少なくない。

【3】子連れ同士の再婚

 それまでの生活環境がまったく違っているため、1つ屋根の下に暮らすとなるとさまざまな問題が生じる。

「とくにストレスを感じるのは継母です。子供に接する頻度が高いのは母親ですから。“子育ては妻に”と下駄を預けている夫が多いので、妻が子供のことで悩んでいることすら気づかない夫が少なくないのです」

 価値観が違う家庭がひとつになるのだから、最初はそれぞれのルールがあってもいい。時間と共にルールのすり合わせをしていけばいいのだ。

「例えば、朝ご飯抜きが当たり前の父子家庭で育った子供が、親の再婚後にもやはり朝ご飯を食べられないなら、“食べなくていいよ”にします。無理に食べさせようとすると、子だけでなく、継母のストレスの原因になるからです」

 成長とともに、やがて食べられるようになることが多いので、新しい生活スタイルが構築できるまで、ゆっくり進めていけばいいのだ。

※女性セブン2015年9月17日号

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