ビジネス

経済学者 株価大暴落でもアメリカが「利上げ」する理由解説

 世界的に株価が大暴落するなか、米国はなぜ景気を悪くするともいわれる「利上げ」をするのか。経済学者で投資家の小幡績氏が解説する。

 * * *
 日本や米国では近年、金利引き下げが進められ、「ゼロ金利」と呼ばれる状況になっています。

 金利を下げると、投資や消費が活発になります。企業は安くお金を借りられるので設備投資をしたり、新たなプロジェクトを立ち上げたりしたときに、採算が取れるようになります。仮に金利が5%なら1億円の投資に対して年間500万円儲からないと利子が払えませんが、2%なら200万円の儲けでもトントンになります。だから、企業の設備投資が活発になり、新しいビジネスも起こりやすくなります。

 最大の懸念は、バブルを膨らませてしまうことです。先ほど説明したように、株式投資も不動産投資も金利が低ければ低いほど、盛り上がります。盛り上がるからさらに投資が殺到します。バブルです。

 金融緩和(金利の引き下げ)の目的はそもそも資産市場と関係なく、我々の日常の経済活動を良くするためのものです。企業も個人もお金を借りやすく、使いやすくなります。その結果、経済状況が良くなり、新たに人を雇う必要が出てきて失業が減る。そうした効果を狙って金利を下げるのです。

 ところが、失業は十分減ったのに、金融緩和を続けていると、失業をこれ以上減らせない。当初の目的を達成する効果はゼロで、資産市場のバブルが膨らむリスクだけが大きくなるのです。

 もうひとつの懸念は、「ゼロ%と0.5%は大きく異なる」ということです。(米国の場合は文字通りのゼロ金利を避けるために、0.1%程度にして、これを実質ゼロとしていますが)ともかくゼロというのは危険なのです。要はタダですから、いつでも、いくらでも中央銀行から短期の資金であれば借りられることになる。そうなると、お金がじゃぶじゃぶ余っているような状態になり、金利に関する市場、お金の貸し借りの市場が不安定になるのです。タダより高いものはない、ともいえます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン