国内

山口組分裂で抗争のきな臭さは消えず 北海道では一触即発も

「山一抗争の再来か?」などと多くのメディアから報じられた山口組分裂騒動は、今後どう展開していくのか。ヤクザ事情に詳しいフリーライター・鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 山口組分裂騒動の過熱報道は一段落した。実話系週刊誌や夕刊紙に派手な見出しが躍っていても、記事の中身は薄口だ。一見、表立った動きはありそうにない。
 
「山口組の直参は、どこも完全に現在の本流である名古屋側に付き従うことを明言したようだ。この段階で山口組を抜け、離脱派に参加するところはない」(警察関係者)
 
 が、双方とも末端に対する切り崩しは活発で、山口組は名門である竹中組の復活を決定した。山一抗争(※注)でヒットマンに撃たれ死亡した竹中正久・四代目山口組組長の出身母体だ。

【※注:1984年に竹中正久組長が四代目を襲名したことに反発した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害されたが、山口組の報復が激化。1989年の終結までに双方で25人もの死者を出した】
 
 抗争終結が決まっても徹底抗戦を譲らなかった竹中組は山口組から除名されたが、山口組と離脱派双方の各組織に竹中組の残党がいる。竹中組復活は離脱派にとって心理的な圧迫になろう。極端な話、双方が「本流」を争っているのだから、カリスマ・田岡一雄三代目の名前を冠した新組織が生まれるかもしれない。

 抗争に繋がるきな臭さも消えてない。一触即発だったのが北海道だ。

 離脱派最大組織である山健組の中で、最初にこぼれ落ちたのは北海道勢だった。離脱派から脱退し、山口組に戻る動きは、釧路、帯広、札幌へと伝播し、その後、対極の位置にある南側──長崎、四国からも吹き出した。

 山健組は単体で実質的な一次団体と同様の規模と広域性を誇り、全国各地に傘下組織を持っている。しかし、神戸から離れれば離れるほど密度が薄れ、これまでは友好団体だった山口組の直参組織が敵となり、四面楚歌になりつつあるなかでの“復帰”だった。

 神戸山口組も黙ってはいない。暴力派の組長・幹部・組員を大量に北海道入りさせたのだ。現地の山口組系直参組織幹部がいう。

「事務所のカメラの前を20~30人が徒党を組み、デモンストレーションしたと聞いている。録画はしていないので証拠は残っていなくても、どこの組の仕業かは分かっている」

※週刊ポスト2015年10月9日号

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン