国内

尼崎市や呉市など減塩給食を実施 草津市はレベルアップに成功

 男性は1日11.3g、女性は1日9.6g、これは国際比較でもかなり多い塩分摂取量だ。減塩大国・イギリスでは2025年に1日3gを目指すという。そんな中、塩分摂りすぎに悩む日本の各地では、減塩運動や地元の知恵で減塩と真剣に向き合っている。

 減塩給食を実施する自治体には、兵庫県尼崎市や広島県呉市などがあるが、今年4月から全13の市立小学校の減塩給食のレベルを上げたのが滋賀県草津市だ。

「1食2.5gだったのを2.2~2.4gへ減塩しました。食べ残しも少なく順調です」(同県・給食センター長・青野泰代さん)

 子供の頃からうす味に慣れる食育とともに、家庭に波及して地域の減塩が進むことを期待しての取り組み。メニューには、ワカサギや牛肉など滋賀の地元食材も登場する。

 奈良県は子育て世代の親などに減塩の大切さを直接訴える“減塩ツール”を開発した。「適塩」をキーワードに減塩紙芝居や減塩リーフレット、減塩ソング、減塩教室、減塩元気フェスタなどで楽しく減塩の必要性をアピール。県の減塩キャラクター「げんえもん」もかわいくユニークだ。

 香川県といえば、讃岐うどんが名物でソウルフードのうどん県。県調べによると県民が年間消費するうどんの量は1人当たり平均200玉以上。

 塩入りのうどんと麺つゆをこんなに食せば高血圧が心配だが、意外にも高血圧患者数は全国で最も少ない。その理由は、瀬戸内産のいりこだしを使って料理する家庭が多く、そのおかげでうどんつゆの塩分量が抑えられているため。いりこだしのつゆはみそ汁やおひたしにも使え、総じて減塩に一役買っている。

 第一回の減塩サミットも開催された広島県呉市は、全国屈指の減塩の街だ。というのも地元の高血圧専門医・日下美穂さんの働きかけで、2008年から外食でも塩分2~3gのおいしい減塩メニューが楽しめる飲食店が街中に充実。

 また、呉市の特定健診では尿検査で推定食塩摂取量を算出し「見える化」も推進中。

 険しい山地に阻まれ交通の便が悪く、保存のきく塩蔵品等の摂取が多いほか、お酒を好む土地柄で、心疾患の死亡率が全国トップクラスの高知県。日本心臓財団等と8月に共同開発した心臓にやさしい「ハートレシピ」が注目を集めている。

 現在、「めざせ!減塩スター 減塩プロジェクト」という減塩運動を地元スーパー・飲食店と協働で展開中。

※女性セブン2015年10月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン