記者会見で衆議院を解散すると発表した高市早苗首相(撮影:小川裕夫)
急に決まった衆議院解散総選挙のために、ポスター、選挙事務所など様々な準備が間に合わないというニュースが続いている。ハード面だけでなく、候補者調整などのソフト面での準備はどうなっているのか。選挙取材を続けているライターの小川裕夫氏が、解散総選挙によって高市早苗首相が狙う結果と、実際に起こり得る変化について解説する。
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2025年10月に発足した高市早苗内閣は、高支持率を維持したまま2026年を迎えた。本来なら、このまま粛々と政策を実行することが求められる。ところが年明けから永田町では衆議院を解散するという噂で持ちきりとなり、それは現実になった。
高市首相は1月19日に官邸で記者会見を実施し、正式に衆議院の解散を明言した。記者から勝敗ラインを問われた高市首相は「自民党と日本維新の会(維新)で過半数」と言及。すでに自民党と維新は、衆議院で過半数を得ている。それだけに来年度予算の審議を中断するほど解散の必要性はない。
そうした点について、高市首相は「衆院選は政権選択選挙」と前置きした上で、「2024年の衆院選は「自民党と公明党という枠組みで戦った。今の与党は自民党と維新。枠組みが変わったのだから、国民に信を問う必要がある」と解散の正当性を主張した。
与党の枠組みが変わったことを理由とするなら、自民党と維新が2024年の衆院選で自民党と維新がぶつかり合った大阪府の選挙区は、今回は候補者の調整ができているはずだ。ところが、官邸での記者会見でそれを問う記者は現れなかった。
若者世代の後押しを期待できるか
衆議院の解散は首相の専権事項だと言われるが、選挙には準備が必要になるため、党内で情報を共有するのが一般的だ。ところが、今回の解散について、幹事長の鈴木俊一氏に相談はなかったようで、鈴木氏は新聞報道で解散する方針を知ったという。
幹事長は党務を預かる最高責任者であり、その幹事長に相談をしなかったことで高市氏の独断専行的な性格と調整能力の欠如が露呈してしまった。
自党内の調整ですら消極的な高市氏が、他党との調整という煩わしさを得意にしているとは思えない。そうした煩わしい政党間の調整をしなくても済むように、高市氏は総選挙で大勝することを目論んでいるのかもしれない。
