スポーツ

ディマジオが「俺の打撃に似ている」と言った阪神の名打者は

 今年球団創設80年を迎えた名門・阪神タイガースでは、各時代にきら星のごとくスターが生まれた。1948年、まだ1リーグの時代に入団した後藤次男氏が語る。

「当時は『ダイナマイト打線』と呼ばれ、打率10傑にタイガースの選手が7人も名を連ねていた。私が1番を打って、3番別当(薫)さん、4番藤村(富美男)さん、5番土井垣(武)さんというオーダー。“物干し竿バット”でホームランを量産する藤村さんを筆頭に迫力がありましたね」

 藤村は「初代ミスター・タイガース」と称される大スター。後藤氏は物干し竿バットの誕生背景を知る人物だ。

「入団した時の平均のバットの長さは34インチだったが、藤村さんのものは38インチだった。私は藤村さんの影響で35インチから36インチに変えた。当時はシュートを投げる投手が多く、ベースから少し離れて打つのにいいかなと思ったから。広い甲子園では右にも打たないと打率が稼げず、長めのバットでインコースも流し打ちをした。結果的には正解でした。

 1949年には46本(当時の日本記録)打って本塁打王になった藤村さんだが、初めは長距離ヒッターじゃなかったんです。物干し竿打法を編み出したのは、私と一緒に入団した慶応ボーイの別当さんへの対抗心から。別当さんが大きなホームランを打つので、“大学出に負けてたまるか”とライバル意識からブン回しているうちにホームランバッターになってしまった(笑い)」

 迫力のある打線は本場・メジャーのスター選手も一目置いた。

「私は初球打ちが得意で三振も四球も少なかったし、ヒットはよく打ちました。臨時コーチで来日したディマジオ(ヤンキース)に『オレの打撃に似ている』とミートのうまさを褒められたんですよ(笑い)」(後藤氏)

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

羽生結弦が主催するアイスショーで、関係者たちの間では重苦しい雰囲気が…(写真/AFLO)
《羽生結弦の被災地公演でパワハラ告発騒動》アイスショー実現に一役買った“恩人”のハラスメント事案を関係者が告白「スタッフへの強い当たりが目に余る」
女性セブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
『ここがヘンだよ日本人』などのバラエティ番組で活躍していたゾマホンさん(共同通信)
《10人の子の父親だったゾマホン》18歳年下のベナン人と結婚して13年…明かした家族と離れ離れの生活 「身体はベナン人だけど、心はすっかり日本人ね」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン