慰安婦だけではなくて、1910年以来35年間の日本の植民地時代に、韓国人は圧迫されたという気持ちがあります。それから戦争中は労働者として、韓国人は日本に強制連行されました。労働者たちは苛酷な条件で仕事をさせられたという気持ちがある。
しかし60年代、韓国は日本のお金や技術が必要だったから、反発があっても言いませんでした。今の韓国はサムスンが強くなったし、ヒュンダイも弱くない。そういう状況の中で、ものが言える時期になったという背景もあると思うのです。
日本はもっと低姿勢になり、国のトップがかつての河野さんや村山さんと同じように、思いやりと責任感をはっきり表明する必要があると思います。
何が正しい、何が正しくないという立場ではなくて、隣の国とうまくやっていくために何が必要か、という立場からそう思うのです。
日本国内には、新しい分野であらゆる開発が必要です。しかし国内のよさを守ることも大切でしょう。犯罪が少ないこと、長生きする人が多いこと、良いところが色々ありますので、それは続けてほしいと思います。
※SAPIO2015年11月号