ビジネス

トヨタ 「自動運転」と「走らせる喜び」の2方向で進化想定

 トヨタが発表した四代目プリウスが好評だ。2011年3月に同社が導入した「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」という、「もっといいクルマ」を作るための新たな自動車の開発・生産に向けた取り組み。この第一弾になるのが、10月29日に開幕する東京モーターショーで初お披露目される四代目プリウスである。

 アクセルやブレーキのレスポンス向上だけでなく、車体そのものの基本設計から刷新された、スポーティさを追求したトヨタ車だ。豊田章男社長はいたずらに台数を追うことはせず、ハンドルを握って楽しいクルマを作ることにこだわっている。

 章男社長がこうしたクルマ作りの哲学をもつに至ったのは、レース活動からの影響と考えられる。
 
 企業経営を担うトップが、命の危険にさらされるレースに参加するのはいかがなものかという批判に対し、章男社長は、レースはあくまで「いいクルマをつくるためのセンサーを研ぎ澄ます」ための活動だと反論している。一方で、「他の上場企業の社長は平日からゴルフをやっていても騒がれない。なぜレースに参加すると批判されるのか」とも語り、この言葉からは「レースが好きだ」という本音も垣間見える。

 会社としても、モータースポーツへの関与を深めている。今年1月のモータースポーツ活動発表会で、世界ラリー選手権(WRC)への参戦を発表し、章男社長は「『もっといいクルマづくり』のど真ん中にモータースポーツを位置付けたい」と述べ、一般道を走るラリーで培った技術を市販車の開発に生かすという。

 実は昨年1月の「2014年モータースポーツ活動発表会」の会見で、章男社長は創業者・豊田喜一郎氏が亡くなる直前に書いた「オートレースと国産自動車工業」という文章を引用し、「耐久性や性能試験のためのオートレースにおいてその自動車の性能のありったけを発揮してみて、その優劣を争うところに改良進歩が行なわれ、モーターファンの興味を沸かすのである」という内容を紹介している。

 つまり、モータースポーツ活動の活発化は“原点回帰”であり、“創業の精神”だというわけだ。

関連記事

トピックス

志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン