マンション建設は、多くの企業が絡むことも問題発生の原因となっている。今回の件も、三井住友を起点にいくつか中間組織を挟み、旭化成を親会社とする旭化成建材があり、その複雑さは現場の作業者まで、さらに連なっていく。

「現場では、何百人という人間が入れ替わり、立ち替わり出ては入っていきます。管理する現場監督も、すべての職人を監視することはできない。また、設計図だけでなく工事に使われているコンクリートや部品も指示通りのものかどうかひとつひとつ確認するのは不可能に近い」(不動産関係者)

 そうは言っても、「もうとっくにマンションを買って、そろそろローンも折り返した頃。ウチは大丈夫かしら?」と、住んでいる物件に不安を感じる人も大勢いる。山下さんによると、暮らしの中にも、不備や欠陥を調べるポイントがあるという。

「大きな地震があったわけでもないのに、ドアの開閉の具合が悪い、閉まる時に妙な音がするようになった、引き戸に隙間ができた、などという症状は危険信号です。家が傾いている可能性があります。傾きを調べる水平器はホームセンターで数千円程度から買えるので、調べてみてもいい。1戸だけでは弱いので、発覚したら隣近所にも確認しましょう」

※女性セブン2015年11月12日号

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