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飼い犬や飼い猫の高齢化 負担感増していくのは医療費の増加

 日本では子どもの数を超えたといわれるペットの数。飼い犬と飼い猫の平均寿命はそれぞれ14歳前後だが、近年はエサや飼育環境の向上、動物医療技術の進歩などにより、上昇傾向にある。

 飼っているペットが長寿に恵まれるのは喜ばしいことだが、それに伴って深刻になりつつあるのが、飼育費用の問題だ。生涯必要経費(医療費含む)は犬の118万円に対し、猫は70万円(ペットフード協会調査)。飼い主が現役の間はそれほど気にならない差額かもしれないが、年金生活ともなれば家計への影響は大きくなる。

 とりわけ負担感が増すのは、飼い犬や飼い猫の高齢化に伴う医療費の増加だ。高齢者の飼い主が多い地域にある動物病院院長の話。

「病気にもよりますが、手術が必要になれば入院費も含めて1回で1万5000円から5万円くらい。手術後の通院や検査を含めると10万円から20万円はかかります。薬の量は体重によって変わるので、大型であればあるほど薬代は高くつきます」

 手術の必要ない病気では、犬猫ともに腎不全が最も多く、その治療費は日々の点滴や血液検査、食事代などで月に1万円から3万円はかかるという。ただでさえ増えるばかりの自身の医療費に、犬や猫にかかる医療費が加われば、生活が成り立たなくなる可能性さえありそうだ。

 事実、ペットの高齢化によるコスト増に耐えられなくなる飼い主が増えていると、『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)などの著者でNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏は指摘する。

「飼い始めた頃は“貯金もあるから大丈夫”と思っていても、長生きする犬や猫の手術代やら薬代で生活が一気に厳しくなってしまう。ペットの場合、医療費が人間より高いうえ、保険もきかない。多い人では月に10万円以上かかるという人もいます。

 それでも一度治療を受けさせると途中で止められない。最期まで面倒を見ようと思えば思うほど、医療費がかかるという現実がある。アパート暮らしの単身者は猫を飼う人が多いのか、うちに来る相談者は猫派の方が8割です」

※週刊ポスト2015年11月13日号

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