国際情報

中国で逮捕の「日本人スパイ」公安調査庁が情報収集を依頼か

抗日戦争勝利70周年軍事パレード AP/AFRO

 今年5月から6月にかけて、中国内で、日本人男女合わせて4人がスパイ容疑で逮捕される事件が発生した。“日本人スパイ”はどこで何をし、どんな疑いをかけられた人物なのか、ジャーナリストの相馬勝氏がリポートする。

 * * *
 日本人拘束の報が初めて伝えられたのは9月30日付朝日新聞の上海電だった。中国の外務省報道官は同日午後の定例記者会見で、2人の逮捕を確認したうえで、今後の対応について、「法に基づき調査し処理する」と述べた。

 実は、同報道官が発した、このフレーズは中国内で汚職幹部を逮捕した際に使われるおなじみのものだ。汚職事件でこのフレーズが使われた場合、対象の幹部はほぼ例外なく起訴手続きに入っている。このため、最初に逮捕が発表された日本人男性2人については、ほぼ取り調べを終え、起訴に向かって法的な手続きが進んでいると考えてよい。

 これを裏付けるように、2人の身元が明らかになるにつれ、日本の情報機関のひとつである公安調査庁との関係が深いことが分かっていく。

 北京の外交筋によると、逮捕されたのは中国遼寧省の中朝国境地帯で北朝鮮の情報を収集していた神奈川県在住「脱北者」の自営業の男性(55)と浙江省の軍事関連施設に立ち入った愛知県出身の会社経営の男性(51)。

 自営業男性は父親が在日朝鮮人で、母親は日本人。3歳のころ両親とともに北朝鮮に渡り、父親が軍関係の仕事で殉職したことで「英雄」と認められ安定した生活を送っていた。しかし、大量の餓死者が出た1998年、北朝鮮での生活に嫌気がさし、母親やきょうだいらと脱北。東南アジア諸国を放浪した末に2003年に日本に入り、2006年には日本に帰化した。

 その後、北朝鮮にいる親族と連絡したり送金するため中朝国境地帯を訪問。最近では北朝鮮情報の収集目的で、1か月に1回の割合で国境地帯に赴いていた。

関連キーワード

トピックス

昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン
“原宿系デコラファッション”に身を包むのは小学6年生の“いちか”さん(12)
《話題のド派手小学生“その後”》衝撃の「デコラ卒アル写真」と、カラフル卒業式を警戒する学校の先生と繰り広げた攻防戦【『家、ついて行ってイイですか?』で注目】
NEWSポストセブン
収監の後は、強制送還される可能性もある水原一平受刑者(写真/AFLO)
《大谷翔平のキャスティングはどうなるのか?》水原一平元通訳のスキャンダルが現地でドラマ化に向けて前進 制作陣の顔ぶれから伝わる“本気度” 
女性セブン
「池田温泉」は旅館事業者の“夜逃げ”をどう捉えるのか(左は池田温泉HPより、右は夜逃げするオーナー・A氏)
「支払われないまま夜逃げされた」突如閉鎖した岐阜・池田温泉旅館、仕入れ先の生産者が嘆きの声…従業員が告発する実情「机上に請求書の山が…」
NEWSポストセブン
バラエティ、モデル、女優と活躍の幅を広げる森香澄(写真/AFLO)
《東京駅23時のほろ酔いキャミ姿で肩を…》森香澄、“若手イケメン俳優”を前につい漏らした現在の恋愛事情
NEWSポストセブン
柳沢きみお氏の闘病経験は『大市民 がん闘病記』にも色濃く反映されている
【独占告白】人気漫画家・柳沢きみお氏が語る“がん闘病” 今なお連載3本を抱え月産160ページを描く76歳が明かした「人生で一番楽しい時間」
週刊ポスト
芸能界の“三刀流”豊田ルナ
芸能界の“三刀流”豊田ルナ グラビア撮影後に語った思い「私の人生は母に助けられている」
NEWSポストセブン
ラーメン二郎・全45店舗を3周達成した新チトセさん
「友達はもう一緒に並んでくれない…」ラーメン二郎の日本全国45店舗を“3周”した新チトセ氏、批判殺到した“食事は20分以内”張り紙に持論
NEWSポストセブン
風営法の“新規定”により逮捕されたホスト・三浦睦容疑者(31)(Instagramより)
《風営法“新規定”でホストが初逮捕》「茨城まで風俗の出稼ぎこい!」自称“1億円プレイヤー”三浦睦容疑者の「オラオラ営業」の実態 知人女性は「体の“品定め”を…」と証言
NEWSポストセブン
モデルのクロエ・アイリングさん(インスタグラムより)
「お前はダークウェブで性奴隷として売られる」クロエ・アイリングさん(28)がBBCで明かした大炎上誘拐事件の“真相”「突然ケタミンを注射され、家具に手錠で繋がれた」
NEWSポストセブン
永野芽郁
《不倫騒動の田中圭はベガスでポーカー三昧も…》永野芽郁が過ごす4億円マンションでの“おとなしい暮らし”と、知人が吐露した最近の様子「自分を見失っていたのかも」
NEWSポストセブン
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン