芸能

松平定知氏が『下町ロケット』で語り 民放から依頼され驚き

民放キー局で初のナレーションを担当する松平定知氏

 1日放送の第3話の視聴率が18.6%を記録し、今期の民放連続ドラマ唯一の右肩上がりの数字となっているドラマ『下町ロケット』(TBS系、日曜21時~)。主演・阿部寛が社長を務める町工場が大企業に立ち向かう物語の要所要所で挿入されるナレーションを担当するのが、元NHKアナウンサーの松平定知氏(71)だ。

 松平氏といえば、ニュース番組のキャスターや、長寿番組『その時歴史が動いた』の司会などで人気を博し、2007年の退職後も「NHKの顔」として大型特番に出演している。松平氏が語る。

「民放に出ないのですかと聞かれますが、NHK退局後に故郷・愛媛の民放やCSでキャスターやナレーターを担当したことはあります。しかし、民放キー局は今回が初めてです」

 最初に依頼がきたとき、「冗談ではないのか。なぜ?」と首を傾げたという。「民放からですし、僕は声の良さで勝負するタイプではないと思っている」からだ。

「でも嬉しかったし、奮い立ちました。なにせ、原作は池井戸潤さんの直木賞受賞作ですし、脚本、演出、プロデュースなどは、社会現象を巻き起こしたドラマ『半沢直樹』と同じスタッフですから。ナレーター冥利に尽きますよ」(同前)

 同じナレーションでも、歴史ドキュメントと違いはあるのだろうか。

「違いはありません。僕は美声ではないので、意味で表現することを心掛けています。この作品、この場面で作者は何を表現したいのかを考え、相応しい話し方を工夫します。しかし、役者ではないので必要以上に目立ってはいけないし、埋没してもいけない。物語の水先案内人という意識でやっています」(同前)

 TBSのプロデューサー伊與田英徳氏は、松平氏の「プロの仕事」をこう評する。

「感情の出し入れが非常に上手いです。ドラマの内容や展開に応じて、客観的に語るべき場面と、登場人物の感情を乗せて語るべき場面を的確に切り替えられる方だと思います」

 松平氏のナレーションが入ると、不思議なことにフィクションなのに物語のリアリティが増す。それこそが『その時歴史が動いた』などで培われた“松平マジック“なのかもしれない。

「若い時はあまり声の調子を意識しませんでしたが、最近は年なので、収録前日には風邪を引かないように靴下をはいて寝て、鼻づまりを起こさないよう喉に薬を塗っています。気合いが入っています」(松平氏)

『半沢直樹』の最高視聴率42.2%を超えることも期待される『下町ロケット』。ドラマ界の歴史が動くのか、日曜夜から目が離せない。

撮影■三島正

※週刊ポスト2015年11月13日号

関連記事

トピックス

自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン