芸能

出演者の知性、教養、人柄問われる散歩番組 高田純次は最適

散歩番組に高田純次は最適だった!?

 散歩ブームの火付け役、地井武男さん(享年70)亡き後も増え続ける散歩番組。タモリ(70)、有吉弘行(41)、マツコ・デラックス(42)など、各局とも人気タレントを起用する力の入れようで、この秋からは高田純次(68)もそれに加わった。なぜどの局も散歩番組を作りたがるのか。

 上智大学教授(メディア論)の碓井広義さんはその理由をこう話す。

「テレビ業界には『5匹目まではドジョウがいる』といわれるくらい、一つの企画が当たると他局もそれに追随しようとします。散歩番組が増えているのは、他が当たっているからうちもやろう、という何匹目かのドジョウ狙いなんです。こういう時代ですから、低予算で番組を作れるというのも大きな理由の一つです。

 散歩番組が世の中に支持されているのは、日常の中の小さな冒険を一緒に体感できるからだと思います。ゆるく、気ままに、ぶらぶらと歩くだけなので、日ごろ雑務に追われてなかなか旅行に行けないという人でも、『散歩なら自分でもできるんじゃないか』という気にさせられます」

 散歩というのは、するのは簡単だ。ただし面白く見せるためには、タレントに相応の実力が必要なのだという。

「散歩中に出会う一般の人たちは、タレントの振りにどう返してくるのかが読めません。そこが面白いところなのですが、予定調和にならないので、タレントの知性、教養、人柄が問われます。

 そういう意味では、高田純次さんのキャスティングは絶妙だと思います。散歩タレントとしての資質を備えているうえに、“いい加減”キャラ。散歩そのものがいい加減なものだから、キャラとコンセプトが合致します。高田さんは、関心がないものははぐらかして次のものを見る。そういうテキトーさがある高田さんは、“ミスター散歩”だと思います」(碓井さん)

 高田純次の『じゅん散歩』は、地井武男さんの『ちい散歩』、加山雄三(78)の『若大将のゆうゆう散歩』と続いてきたテレビ朝日の朝の散歩番組の3代目にあたる。新たな散歩マスターとなるか。

「散歩番組の元祖は、1992年にスタートした『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)だと思います。『ちい散歩』は散歩番組をより注目されるものとした、いわば中興の祖。『ちい散歩』がウケたのは、地井さんの人柄が活かされていたからでしょう。主体はあくまで街やそこに住む人たちなんですが、それを地井さんの目線で見られるところに楽しさがありました。

 散歩番組はタレント本人が目立ちすぎてしまうと、散歩番組ではなくそのタレントのバラエティー番組になってしまいます。とはいえ後発の番組は、差別化を図るためにあえてタレントの素顔を見せようとするものもあります。『有吉くんの正直さんぽ』や『国分太一のおさんぽジャパン』(ともにフジテレビ系)はその例。『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)は、さまぁ~ずと女子アナとのやり取りも見どころの一つになっています。

 他と大きくコンセプトが異なるのは、マツコ・デラックスさんの『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)。街の人たちの人生を掘り下げることも多く、ドキュメンタリーの要素もあります」(碓井さん)

 バラエティー豊かになってきた散歩番組だが、これからまだまだ増えるかというと、「今がピークでここからは淘汰が始まる」というのが碓井さんの見方。番組はゆるくても、生存競争は激しくなりそうだ。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン