佐藤:五木さんとは、この前『NHK歌謡コンサート』でお会いしたんですよ。そのときの話をしたんだよね。
長谷川:うん。楽屋に挨拶をしにいったときに、のど自慢の時のエピソードをお話したんです。でも、五木さんは一切覚えてませんでしたね(笑い)。
──『のど自慢』のオーディションの様子はどうでしたか?
長谷川:出場者の数がものすごかったですね。たしか、川口市での応募総数が6000通くらいで、そこからオーディションに行けるのが200組だったと思います。はがきで応募するんですけど、ぼくはそのはがきに思いの丈をすべて書きまくりましたね。「のど自慢に出て鐘をもらいたいんだ!」という気持ちをバーッと書いて投函して。それから2週間後くらいに予選通過の通知が来て、「よし!! 予選に出れる」となったんだけど、予選会は40秒ぐらいしか歌えないんですよ。それで、短い時間でアピールしなきゃならないってことで、インパクトを残すために歌と踊りで勝負しました。
──手応えはどうでしたか?
長谷川:自分たちの歌が終わった後に、それを見ていた司会者の方に「あの踊りはこれからもっと派手になっていくの?」って訊かれたんですよ。このとき「よっしゃ受かった!」って確信しました。それで本戦に出られる20組に入ったんですけど、まあ完全に盛り上げ役ですよね(笑い)。
──その時に一緒に出演された人のことは覚えていますか?
長谷川:30才くらいの建築関係の人なんですけど、すごく仲良くなった方がいました。その人とぼく達がいっしょに合格して、「よかったね」ってお話ししたり。その人は結局チャンピオンになって、年間のグランドチャンピオン大会にも出場されていました。で、また後日『SASUKE』にも出場されていて、いやあ本当にすごい方だなと思いましたね(笑い)。
──『のど自慢』に出ると、有名人になるといいますが、どうでしたか?
長谷川:めちゃくちゃ声かけられます(笑い)。放送があった日の夜、一緒に出た友達と焼肉屋さんでホールのバイトをしてたんですけど、お客さんに「今日、のど自慢出てたよね~?」って声かけられたりしましたね。
──『のど自慢』に出たことが、その後の人生に影響を与えたということは?
長谷川:めちゃくちゃありましたよ。ぼくらコンビを組んだばかりのころは、コントしかやってなかったんですけど、事務所にはコントのスペシャリストがたくさんいたので、なかなか結果が出なかったんですよ。で、自分たちの持ち味を出さなきゃいけないってことで悩んでたんですけど、そこで思い出したのが『のど自慢』に出演した時のことだったんです。自分は歌が好きで得意なんだから、それが持ち味なんじゃないかって気づいて、歌ネタを作るようになって今のスタイルができたんです。
──まさに、『のど自慢』があったから、今のクマムシがあるっていう感じですね。
佐藤:ぼくは出てませんが、その通りだと思いますよ。だから、ぜひともクマムシをゲストとして出していただきたいです。
長谷川:番組出身者ということでぜひお願いします!
撮影■玉井幹郎