もちろん、日本から離れているということもあるんだけど、必要最低限の報道だけに留めているということは、イスラム国の広報活動としては成功とは言えないからね。イスラム国側にしてみれば、「こんなに大きなテロを起こしたのに、全然騒いでいないじゃないか!」っていうことだから。

 イスラム国の目的は、テロの恐怖で世界中を包み込むことで、マスコミが騒ぐことはイスラム国に対してメリットになり得る。だから、日本が冷静に報じているということは、すごくいい傾向だと思うね。

──イスラム国の目論見を潰している、と。

高須:そう。だから、本当はこうやってテロについて議論をすることすらも、テロリストに対してプラスになりかねないんだよ。「テロは怖い」「イスラム国は強い」という考えを植え付けることこそが、彼らのいちばんの目的だから。本当は徹底的に無視をするのがいいんだよね。

 バイオレンスにバイオレンスで対抗しても、問題が解決するわけない。そりゃそうだ、火に油を注いで鎮火できるはずはないんだよ。たしかに難しいことかもしれないけど、「無抵抗不服従」という考え方も有効なのかもね。テロでたくさんの人を殺されたら、悲しいけど、だからといって報復することがベストな方法ではない。少なくとも暴力で応戦するのは無意味。とにかく、テロリストを無視することが重要だと思うね。

 * * *
 テロを封じ込めるには、暴力で対抗するのではなく、情報を操作すること、そして無視をすることが有効だと主張した高須院長。たしかに、ジハードの考えのもと、自死することが名誉だと考えるテロリストに対抗するのは難しいことだ。暴力に頼ってきたこれまでの方法から、脱却する必要があるのかもしれない。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。

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