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アリババが香港の有力英字紙に買収交渉 報道の自由に懸念も

 中国の電子商取引最大手アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長が数か月前から、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」を発行するSCMPグループを買収する交渉を進めていることが分かった。米国の金融経済通信社ブルームバーグ通信が報じた。

 馬氏は2013年7月、ポスト紙の単独インタビューに応じて、1989年6月の天安門事件について、政府の弾圧はその時点では「最も正しい決断だった」と評したことがある。中国のインターネット検閲も正当化する発言を行っており、ネット上で激しい批判を浴びたことがあるだけに、今回の報道を受け、ネット上では「香港の報道の自由が一層制限されるのは間違いない」などの書き込みがみられる。

 関係者2人がブルームバーグ通信に語ったところでは、馬氏はSCMPグループ会長の郭鶴年(ロバート・クォック)との間で、同グループへの出資に関する協議を行っており、交渉は進展しており、契約調印が近く発表されるという。条件は明らかにされていない。

 グループの株式は1993年、メディア王ルパート・マードック氏がマレーシアの富豪であるクォック氏にその大半を売却しており、いまもクォック氏が最大の株式所有者であることは変わりない。

 しかし、同紙はかつて世界有数の利益を誇る新聞だったが、読者がインターネットに移行し、紙離れが進行するなかで、他のメディアと同じく部数を減らしている。グループの収益も落ち込んでいることから、クォック氏が株式売却を決断したものとみられる。

 馬氏は日ごろからメディアビジネスに関心を示す発言をしており、特に香港に進出するうえで、香港の有力メディアを所有することは極めて大きなメリットとなるのは確実だ。

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