日本全体の消費市場が漸減を続ける中で、毎年2ケタ%の伸びを見せているのが「ネット通販」だ。ともに月間利用者数4000万人以上を誇るAmazonと楽天。それぞれ「得する方法」を解説する。
ネット通販の「2強」は、その成り立ちからして大きく違っている。ネット通販コンシェルジュの遠藤奈美子氏が解説する。
「楽天は様々な出店業者をサイト内に集める“モール型”と呼ばれるビジネスなのに対し、Amazonは自社で倉庫を用意して配送するビジネスから事業をスタートさせました。そうした経緯を理由に、サービス面にも違いがあります」
違いを知っておくと、目的や状況に応じて使い分けが可能になる。
「ビギナーが取っつきやすいのはAmazonです。商品名を打ち込んで検索すれば、その商品がずばりトップに表示されて探しやすい。
一方の楽天は、同じ商品を扱っている業者がいくつも表示されたり、たとえばデジカメを検索した場合、周辺機器なども同列に表示されたりして絞り込みに手間がかかります。ただ、複数の業者の価格を比べやすいです」(同前)
配送のスピードにも違いがある。
楽天は配送方法もショップによってバラバラ。一方、基本的にすべての商品を自社のシステムに乗せるAmazonは、当日配送が可能な商品もある。11月19日には、東京23区内の一部エリアで2500円以上の注文について、1時間以内で配送する有料会員限定サービスもスタートした(配送料は1回890円、時間オーバーの場合は返金)。
購入価格にも違いが出てくる。
「ショッピングで使える“ポイント”の貯めやすさを考えると楽天が有利です。
楽天のポイント付与は購入価格の1%が基本ですが、各種キャンペーンで10倍のポイントがつくものもあります。1000円のものを買って、100円分の商品券がついてくるようなもの。Amazonにもポイント制はありますが対象商品が少ない。また、楽天は対象が50%以上安くなる『ラ・クーポン』などのキャンペーンも充実しています」(同前)
楽天もAmazonも、原則1ポイント=1円換算だ。支払い時にポイント使用を選択できる。楽天のポイントは、同社が運営する「楽天トラベル」で旅行代金に使えるなど汎用性が高い。