「咽頭蓋とは、食べ物が気管に逆流するのを防ぐために喉にある蓋(ふた)のことです。風邪に罹ると、まれに咽頭蓋が炎症を起こして腫れることがあります。炎症が酷くなると呼吸ができなくなって窒息して死に至る。そのような重篤な症状の場合には気管切開して呼吸できるようにしなければならないが、急に悪化する場合、救急搬送しても間に合わないことのほうが多い」(前出・加地氏)

 風邪で喉が痛いくらい誰でも起きることだが、まさか死んでしまうとは思いもしないだろう。見分けることはできないのか。

「扁桃腺よりももっと喉の奥を診なければ急性喉頭蓋炎かどうか分からないので、医者でも診断できないことがある。声帯が腫れるため、話すときに力まないと話しにくい、呼吸しにくいといった異変を感じたら要注意。自己判断せずに直ちに病院に行くべきです」(加地氏)

 他にも重症化すれば死に至る合併症としては「急性心筋炎」もある。風邪の原因ウイルスが引き起こすものだ。当初、風邪症状を訴えていた患者が、数日後に突然胸痛に悩まされたり、心不全を起こしたりして、最悪のケースでは死に至る。これはウイルスが心臓を動かす「心筋」に感染した際に生じる。

 日本心臓財団の資料によれば、心筋炎の中でも死に至るほど急激に病状が変化する「劇症型心筋炎」は、30年前までは救命もできず、今も救命率は約50%に留まっているという。

 また、「慢性的な持病を持つ人は特に要注意です」と加地氏が警告する。

「鼻風邪を引き起こすライノウイルスに感染してしまったばっかりに喘息が重症化することがある。重い発作を起こせば命に関わるでしょう。他にも糖尿病などの慢性疾患、持病がある人は免疫力が落ちているため、一層風邪に気をつけなければいけません」

※週刊ポスト2015年12月18日号

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