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冬場に増える突然死 就寝中から翌日の午前中が危険な時間帯

 今年も多くの訃報を聞いたが、なかでも、俳優の阿藤快さん(大動脈瘤破裂胸腔内出血)や阪神タイガースGMの中村勝広さん(脳出血)などの突然死は、衝撃的だった。いずれも循環器系の血流不全が背景にある可能性が高い。前日まで元気だった人が命を落とすことも珍しくない突然死。高知大学医学部老年病循環器・神経内科学教授の北岡裕章さんは、こうした“突然死”を次のように解説する。

「突然死は、文字通り予期しない突然の病死のことで、発病から1時間以内に死に至る場合や、目撃者がいない場合、元気だった人が24時間以内に亡くなる場合と定義され、朝起きたら冷たくなっていた場合もこれに当たります。こうした突然死は冬場に増え、とくに就寝中から翌日の午前中までが危ない時間帯です」(北岡さん)

 また、宴会シーズンは生活リズムが乱れて睡眠不足や脱水気味になりやすく、リスクが増すことが充分予測できるので、注意したい。

 突然死の死因は、心疾患など循環器系の血流不全が6割以上で、「心臓突然死」という言葉もあるほど。人口動態統計や消防庁の統計からの推計でわが国の突然死は年間約9万人。交通事故死よりも多いのが実情だ。

「突然死の半数以上を占める急性心筋梗塞は、今まで心臓に持病のない人でも、急に血管が詰まって短時間で死亡することがあり、予測は非常に難しい。だからこそ、血管に悪い危険因子(喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満など)を持っている人は、日頃からこれらを極力コントロールし、血管をケアすることが大事です」(北岡さん)

 喫煙や飲酒、ストレスが引き金としてあげられるが、前提として高血圧や糖尿、肥満にならない食事を続けることが重要でもある。

 全国でも心疾患での死亡率が高い高知県では、心臓にやさしい食事『ハートレシピ』を公開中。前出の北岡さん監修のもと、レシピを考案した高知大学医学部附属病院栄養管理部 副部長の伊與木美保さんは言う。

「人生80年を健康に生きるなら、腹八分目の食事をバランスよく摂る“食養生”を考えるべき。宴会が続くと動物性脂肪やカロリー過多になるのはもちろん、外食は総じて塩分も多い。その上、さらにラーメンやお茶漬けなどで塩分や糖質を摂って、突然死の危険因子を増やすのは避けましょう」(伊與木さん)

 就寝前後には、水を飲ませるほか、塩分の排出作用のあるカリウムが豊富な野菜ジュースを出すだけでも、血圧抑制や血栓予防につながりうると覚えておこう。

※女性セブン2015年12月24日号

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