国際情報

中国重慶市郊外に総面積1万3000平方米の巨大シェルター存在

 中国四川省重慶市郊外の山岳地帯に、世界一広い巨大シェルターが存在していることが明らかになった。中国共産党機関紙「人民日報」が報じた。この核シェルターは1960年代初めから建設が開始されたが、当時は中国と敵対関係にあったソ連や米国との戦争が懸念されており、攻撃されにくい内陸部のシェルターに軍関係機関や軍需工場が建設、核兵器も貯蔵されたという。

 この巨大シェルターは重慶市郊外の白濤鎮(村)の山岳地帯に位置し、総面積は1万3000平方メートルで、容積は151万立方メートル。もっと高いところは74メートルある。ここに、大きな貯蔵庫が9個、他の小さなもので10個の貯蔵施設が存在するという。

 このシェルターの建設計画は「816工程」と呼ばれた。これは1966年8月16日に毛沢東主席や周恩来首相ら当時の中国最高指導者によって、建設が決定されたからだ。建設計画は極秘とされ、当時では最高の技術力を持つ中国人民解放軍の工兵部隊である「8342部隊」や工程兵第54師団が主力になり、兵士6万人が作業に当たったという。

 1967年2月に建設は開始され、完成したのは1985年で、18年間の歳月が費やされた。また、建設予算は7億4000万元だが、1966年当時の中国の国家予算は総額でも1873億元。

 当時の軍幹部の月給が30元だった時代だけに、現在の予算規模から換算すれば、1000億元(約2兆円)となり、世界最大規模のダムである三峡ダムと同じくらいの建設規模に匹敵する。「当時としては空前絶後の巨大国家プロジェクト」と人民日報は伝えている。

 シェルター内の気温や湿度などは中央制御室のコンピュータによって24時間管理されている。シェルターの存在は2002年4月明らかにされたが、一般への公開は2010年4月まで待たなければならなかった。公開されているのは全体の10分の1程度。一般公開された理由について、中国国防省は「国防教育の一環」としている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン