忙しい毎日の中、自分の個人的な夢や楽しみを後回しにすることは多い。しかし、気がついたらすべてが手遅れになっていることも…。60才以上の先輩たちに聞いた「人生でやっておいてよかったこと」、「やっておけばよかったこと」を紹介する。
音楽評論家で作詞家の湯川れい子さん(79才)は、料理のレパートリーを増やすことが重要だという。
「夫が亡くなって、ひとりで暮らすことになったとき、ひとり分しか作らないのは面倒くさいからと、スーパーの出来合いの総菜ばかりでは悲しい。気分もどんどん滅入ってきてしまう。ひとりでも手軽に作れるレパートリーは大切だと思います」
また、湯川さんは、若いうちに“夢貯金”をしておくことも必要だと話す。
「40代、50代は誰もがまんが必要だと思います。例えば、『オーロラを見に行きたい』『タヒチに行ってみたい』など、いつかやりたいことをメモに書き出して、ボードに貼って常に見られるようにしておく。それが私が実践していた夢貯金です。
メモの数を見て、いつかかなうように今は頑張ろう、と自分に言い聞かせていました。女性が時間をぜいたくに使えるのは、60代以降だと思うんです。今、貯金しておかないと、いちばん人生を謳歌したいときに経済的理由で何もできなくなってしまいます」(湯川さん)
若いころの苦労が、晩年になって花咲くことも多い。NHK朝ドラ『あさが来た』の原案本である『小説土佐堀川』著者で作家の古川智映子さん(83才)は、30代から物書きの仕事を始めた。
「売れなくてもひたすら書き続けました。広岡浅子さんをモデルに小説を出版したのは1987年です。自分のお金をはたいて取材したこともありました」
それから28年後、その小説は『あさが来た』の原案になった。
「いろいろな苦労や不幸があって、それに負けて努力を怠れば、それなりの人生しか待っていない。一生懸命苦労していけば、必ず実を結びます。浅子さんも、活力という言葉をよく使っていました」(古川さん)
※女性セブン2016年1月7・14日号