◆長期的なテーマは自動運転、ドローン、バイオ、eコマース等
指数の値動きが重いことが予想される2016年相場は、当然、それを構成する大型株にも大きな上昇は望めないだろう。
そのような難しい局面では、やはりその時々のテーマやニュースに反応する小型の材料株が物色対象になる公算が高いだろう。マンション傾斜問題で土木関連などが物色されたように、災害や事件、事故、あるいはノーベル賞といったニュースのたびに関連銘柄を探し求める動きが高まるに違いない。
そうなると、ファンダメンタルズなどを重視するが故に即座に反応できない機関投資家よりも、機動力の高いデイトレーダーをはじめとする専業個人投資家のほうが利益を出しやすい。その都度の材料に反応してシンプルに行動でき、シンプルに撤収できる機動性が功を奏する場面が増えてくるだろう。
もちろん中長期的な観点に立てば、短期勝負だけでなく、今後も成長が期待できる「よい会社」に投資する手法も有効といえる。たとえば次世代技術として注目が高まる「自動運転」、さまざまな分野への応用が期待される「ドローン(無人飛行機)」、あるいは「バイオ」や「eコマース」といった分野は長期的な市場拡大が期待できることに変わりはない。
これらは長期的なテーマであるが故に株価上昇には時間がかかるかもしれない。ただ、見方を変えれば、それら有望銘柄をじっくり仕込める1年になるだろうし、何かのきっかけで材料視されるようなことになれば、短期的な値上がりも見込めるはずだ。その時は「まだ上がるはず」などと思い込んで持ち続けるのではなく、きっちり利益を確定するのも忘れずにしておきたいところだ。
※マネーポスト2016年新春号