両陛下の公務によるご負担の軽減は、喫緊の課題としてあげられてきた。
「皇太子さまや秋篠宮さまも、折に触れて両陛下にあまり無理をなされないようにとお話しになってこられたといいます。ですが陛下は美智子さまとともに、生涯を賭して天皇としての努めを果たされようという強いお気持ちを抱かれてきました。
ところが最近になって、陛下自らが、今後公務の数を減らしていこうというお考えをお持ちになったようです。1月26日からのフィリピンへの公式訪問を区切りにされるおつもりのようで、皇太子さまと秋篠宮さまにも、公務を順次引き継いでいくことを伝えられたそうです。長らく陛下のお体を気遣ってこられた美智子さまも、その“お約束”に大変安堵されているといいます」(前出・宮内庁関係者)
今回のフィリピンご訪問について、両陛下は当初、2015年内に実現されたいというご意向だったという。
「フィリピンのアキノ大統領から招待を受けたのは昨年6月のことでした。通常、両陛下の海外訪問には事前調整に多大な時間を要しますから、年内というのはかなり難しいことでした。そして、両陛下はそういった事情を充分おわかりになっていたはずでした」(前出・宮内庁 関係者)
先の大戦で甚大な犠牲を被った地を一刻も早く訪ねたい、という両陛下のお気持ちの強さは想像に難くない。それにしても、なぜ“強行スケジュール”ともいえる年内の訪問にこだわられたのか。
「年内に訪問が実現されれば、2016年の年明けとともに“公務を次代に引き継げる”というお考えがおありだったのではないでしょうか。戦後70年という節目の昨年を、一つの契機とされたかったのだと思います」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2016年1月21日号