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中国の富豪 「41歳での転落が多い」とシンクタンクが結論

 中国の富豪に関して、興味深いデータが出た。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰が指摘する。

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 裏で悪いことをしていなければ、あんな金持ちにはなれない――。

 日本でもよく聞かれる表現だが、中国ではもはや常識のように使われる言葉でもある。中国で急成長の陰には権力があり、権力との癒着は贈収賄に絡んでいることを意味しているからだ。

 ところが昨年末、そうした人々が共有する認識に挑戦するようなレポートが出された。執筆し発表したのは、中国で毎年「富豪ランキング」を発表することで知られるシンクタンク・胡潤研究院である。その名も『胡潤百富豪ランキング 中国の富豪(主には急成長した企業経営者であり、成金でもある)に関する特別報告』である。

 レポートの中身は、同研究院が行ってきた17年間(1999年から2015年まで)のランキングの蓄積から、そこ登場した成功者たちを追跡調査し、その傾向を分析したものとなっている。

 まず意外であったのが、司法の手に落ちた富豪が思ったほど多くなかったという事実だある。レポートによれば、17年間で登場した3087人のうち、問題を起こした人物の数はわずかに35人。割合にしてたったの1.1%でしかなかったということだ。

 レポートにある35人の問題経営者の現在は、18人が刑務所のなかで服役中。11人がすでに刑期を終えて社会復帰。5人が判決待ち。1人がすでに死刑に処されているというものだった。

 業種別に見るとトップが不動産で11人。金融関係が9人。製造業が6人。

 地域別に見ると上海が最多で8人。北京が次いで2位の7人。3位は深圳の4人となったのである。

 では、こうした人々はどのように転落の道へと進んだのだろうか。不思議なことに事件と年齢には一つの傾向が見られるという。

 たいていの問題人物は41歳で足を踏み外し、44歳で問題が発覚してしまい、47歳で判決を下されたというケースが多かったというのだ。これを受けて胡潤は、「落とし穴は41歳」と結論付けている。

 ただ、これを知ったからといって調子に乗っている人々が、自制できるかといえば簡単ではないのだろう。

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