石本:いっぱい聞かれますよ。数えたら、2万回超えてると思います(笑い)。
――お店と芸人、収入はどっちが多いのでしょう?
石本:お店は儲けゼロです。原価が高すぎて、儲けられないんです。社員の給料、アルバイトの給料、家賃、お肉代、年間通して納税して、おしまい。でもお店に来てもらって、「美味しい、やっぱり石本くんの舌はすごいね」と言われるのが嬉しいんです、単純に。
お店もライブ会場みたいな感じで、お客さんと1対1だと思ってます。「『白い雲のように』歌ってよ」」「一発ギャグやってよ」「面白いこと喋ってよ」って、お客さんはぼくに言いたくなるじゃないですか。その場の空気で、やった方が面白いなと思ったらやりますよ。そういう臨機応変の対応力がつきました。
――タレントの仕事にも生きているんですね。
石本:そう思います。正直、嫌なことを言われることもないわけじゃないんですよ。誰もが、自分の嫌なことは言われたくないじゃないですか。でも、それにどう受け答えるかを常に意識するのが大事です。従業員にもいつもそう言っていますね。
【ドロンズ石本】
1973年10月11日生まれ。広島県出身。1995年に大島直也と『D.R.U.G(ドラッグ)』を結成し、翌年『ドロンズ』に改名。1997年に『進め!電波少年』(日本テレビ系)でヒッチハイクの旅に挑戦し、一躍有名になる。2003年にコンビ解散。その後、タレント、リポーター、俳優として活躍。2007年より馬肉専門店『馬肉屋たけし』をオープンし、経営者としての顔も持つ。
撮影■田中麻以