お美代とお志摩が見つめあったり、入浴シーン?まである予告動画にひっくり返ったファンも多いと思う。11年前始まった『大奥』のシリーズでも描かれることのなかった女の花園の禁断路線についに足を踏み入れたとは。ずっとこのシリーズを手がけてきたミスター大奥、林徹監督の覚悟がわかるというものであった。
そして、第二弾『大奥 悲劇の姉妹』では、家斉かまだ若いころに時間軸が戻っての別ストーリー。美貌の姉梅(沢尻)と若衆姿で男のような歌(蓮佛美沙子)の姉妹が大奥で愛憎劇を繰り広げる。
第一弾のお美代とはうってかわって、人のよい梅は、家斉に見初められて大奥に上がるとめでたく懐妊。しかし、幸せそうな姉に敗北感と嫉妬心いっぱいの歌は、姉の見舞いと称して城に入り、上様を慕って毎晩泣いていると家斉に告白。ついに自分も側室になりあがる。
弓は放つわ、ウソはつくわ、鏡はぶち割るわ。やるなー、歌!しかも、よく見ると、歌の打掛の絵柄は「ヤマタノオロチ」なのである。ああ、ヘビにからめとられるオットセイ…。家斉を演じた成宮寛貴が心配になるくらいだが、ここで「大奥といえば、あの人を忘れちゃいませんか?」と思った方も多いはず。そうです。大奥といえば、浅野ゆう子! 2004年に始まったフジテレビの大奥シリーズを引っ張ったゆう子様は、今回も健在。大奥総取締の大崎局として登場する。黒い打掛でのしのしと歩き、隅々まで目を光らせる大崎局の堂々たる威圧感は、何かに似ていると思ったら、ダースベーダ―だった。
台所で側室たちのウワサをしながら、美味しいものをパクパクやる葛岡(鷲尾真知子)、吉野(山口香緒里)、浦尾(久保田麻希)のスリーアミーゴスも元気よく復活する。そうだった。大奥の台所には「毒」がつきもの。今回は誰の懐から毒が出るのか。出ないのか。見届けましょう。