ライフ

51才女性 シーズーのがん闘病姿に1人で生きる原動力もらう

 犬や猫に触れると、幸せホルモン“オキシトシン”が分泌され、ストレスを和らげてくれるという。しかし、それだけじゃない。胸一杯の愛を飼い主に注いでくれる彼らの生き様は、私たちが人生を生き抜く上での大切なことを教えてくれている。今回は51才カウンセラー女性のエピソードを紹介します。

 * * *
 独身で両親はすでに他界。きょうだいもいない私にとって、シーズーのボンだけが“家族”でした。

 ところがボンが15才になった頃、がんを発病。1つ腫瘍を取ってもすぐに別の場所にできるし、高齢ということもあり、医者には「手術をして苦しみを長引かせるより、自然のまま逝かせた方がいいのでは」と言われました。私は迷いました。しかし、その時ボンが、「ボクは我慢できるよ、絶対治る。だからお母さん、手術して」と言った気がしました。大丈夫だからという意志がこもった瞳で、私をじっと見つめるのです。それで私は手術を決意しました。

 そして術後。ボンはドヤ顔でワンと一声吠えたんです。まるで、「うまくいったでしょ」とでもいうように。これまでほとんど吠えたことがなかったのに、大きく、一声だけ…。彼の生をあきらめない姿が、そこにありました。

 しかし、それから1週間もたたないうちに別の腫瘍が大きくなり、痛みで夜も眠れない日が続きました。口から食事もできず、胃にチューブを入れて、胃ろうの処置をすることに。この処置もすべきか迷いましたが、痛みに耐え、よろつきながらも自力でトイレに行こうとするボンの姿を見ていると、とことんまでやろうという気になったのです。今思えば、最後までボンに導かれた感じでした。

 ほどなくして、ボンは息を引き取りましたが、死のギリギリまで、生きることをあきらめない強さは、今、ひとりで生きる私の原動力になっています。

※女性セブン2016年2月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン