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2016.02.09 11:00  女性セブン

金沢市の「笑って死ねる病院」 患者の満足への取り組み

 自営業を営む70代半ばの男性、板谷進さん(仮名)は、北陸新幹線の開通を心待ちにし、わざわざ駅前に店を構え、工事の様子を見に行くなど、開通まで金沢駅を見守ってきた。だが、昨年3月14日の開業のときには板谷さんは城北病院に入院していて、余命はもうわずかだとみられていた。

「新幹線に乗りたい」

 当初はホームに見に行くだけでいいと言っていたが、見れば乗りたくなるものだ。看護部長の野村鈴恵さんが当時を振り返る。

「そのときにはもう随分血圧が下がっていて、もしかしてこのまま亡くなってしまうかもしれない状態でした。それでも、““最後だからこそ”という強いご希望を持っていたんです」

 医師や看護師が付き添い、板谷さんは金沢~富山間の往復約1時間、楽しみに楽しみに待っていた新幹線に乗ることができた。

 乗っている最中も血圧は低下し、意識が遠のいている瞬間もあったようだ。それでも板谷さんは車窓に映る景色を見て満足そうな表情を浮かべていたという。

「富山で『ますのすし』を買うんだっておっしゃっていて、抱えきれないほど買って。私たちに“食べてよ”とくださった。言葉もうまく出ない状態でしたが、ご本人もご家族も“死んでも構わない。お父さんの希望を叶えられるんだったら、それでもいい”と話され、板谷さんは新幹線の旅を楽しんで金沢駅に帰ってきたんです」(野村さん)

 次は東京まで行きたいと言っていた板谷さんは、それから1週間後、家族に看取られて息を引き取った。

※女性セブン2016年2月18日号

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