◆一般人の覚せい剤入手ルートは?
覚せい剤は、決して遠い世界の話ではない。「アイス」「エス」「シャブ」──いろいろな呼び名がある覚せい剤。清原容疑者の入手ルートは暴力団関係者を通して、と報じられている。でも、一般人と暴力団のかかわりはほとんどない。それなのになぜ、覚せい剤を手に入れられるのだろうか。薬物問題に詳しい弁護士の小森榮さんが言う。
「10年ほど前までは、六本木や渋谷のセンター街、地方でも繁華街など、人が多く集まる路上に売人が立って、無差別に、主に若い子に『いる?』などと声をかけていました。だから当時は、そこで手に入れた人たちが多かった。しかし今では、インターネットで手に入れる人が増えているようです」
インターネットで“覚せい剤”“ほしい”“手に入れる”などと検索してみると、怪しげな掲示板にたどり着く。“○○県でほしい人090○○○○××××まで”“○g○円”などという文字が並んでいて、買おうと思ったら、誰でもすぐにでも買えそうな状況がある。実際に、今年1月に逮捕された茨城県の女子中学生は、インターネット上に「覚せい剤くれる人いませんか」と書き込みし、それに応えた神奈川県に住む20代男性と連絡を取り合い、覚せい剤使用に至った。
インターネット以外でも、2013年には都内で、タクシーを貸切にし、車内で密売をしていた運転手ら4人が逮捕されているなど、“覚せい剤売り場”は、街の風景に溶け込んでいる。
「今や、売人も暴力団関係者に限りません。安定した入手ルートを持っている一般の常習者が、別の人に分けて売るケースもあります。ちょっと興味を持てば、誰でも簡単に売って、買える時代なのです」(小森さん)
※女性セブン2016年3月3日号