「小泉今日子は昔からそうだった。『あまちゃん』でも最初は肌が劣化したと話題になりましたが、今はその自然なフケ感が改めて支持を集めている。若い頃から自分のリアルを晒し出せる自信や実力があって、それでいいんだと肯定できる精神的な豊かさがある。“若くて、キレイ”に絶対的価値を置かない、真の意味での大人の女性なんですよね」(今井さん)
若さがもてはやされる社会にあって、「できるだけ若く、できるだけ変わらずに」と願うのが女性心理。年相応に変化していくことを受け入れるのは、容易ではない。
しかし小泉は、自分自身の体に起きる変化を、いかにも愛おしそうに語ってきた。
《白髪も厄介ですよね。でも、猫を飼ってるのと同じかな。猫がご飯あげたりして手をかけないといけないみたいに、白髪も“この忙しいときに、またお前がわがまま言うから美容院に行かなきゃいけない”って美容院へ行く》
《四十肩もすごかったですね。1年以上治らなかった》
45才で老眼鏡を購入したときには、テレビ番組でこんなふうに語った。
「なんか元気な日はいいんだけど、疲れた日に何も読めやしないよね。ショックだったね。だけどさ、なんか楽しくない? そういうことを感じることも」
助川さんが言う。
「常に変化し続けてきた彼女にとって、加齢は劣化ではない。その変化こそ『小泉今日子』ですから」
小泉はもう何十年も前からおひとり時間が大好きだ。19才の時から誕生日はひとりで、ケーキも買わずに、普段通りに過ごす。出不精だから休日は家にこもり、DVDや大人買いした漫画、韓流ドラマを堪能するのが幸せだという。仮に食事に誘われても「今日はちょっと親が…」なんて断ることもあるとか。エステもジムも面倒で通えないけれど、「私なんてこんなもの」と、いい意味であきらめているから、かえって子供のような心持ちで毎日を楽しく過ごせているんだという。
※女性セブン2016年3月10日号