ライフ

心不全の疑いがある人への新対処法「人工呼吸はすべきか」等

心不全の疑いがある人への対処法とは

 日本人の死因第2位である心疾患。その中で死亡者数トップが、年間約7万人が亡くなる「心不全」だ。仕事のストレスや日頃の不摂生にも耐えて休まず動き続ける心臓が悲鳴を上げた時、どう対処すればいいのか。最新の対処法を紹介しよう。

●声をかけて無反応なら迷わず心臓マッサージ

 救急車が到着するまでの間で最も大切なことが、呼びかけても反応がない時や息をしていない時の対応だ。目黒通りハートクリニック院長の安田洋氏が語る。

「両乳首の中間あたりを目安に胸骨の上に両手を添えて体重をかけて心臓を抑え込みます。心臓から血液を送り出すことが最優先です」

 この時、「肋骨が折れるくらいやらないと意味がない」(同前)。肋骨は折れても時間が経てば治るし、折れて死に至るケースは少ない。しかし心臓が止まってしまうと、脳が重大なダメージを受けてしまうほか、救命も絶望的となる。どちらを優先するかは明白だ。

 胸が5cm沈む程度の力で1秒間に2回程度、1分間に100~120回押すのが目安。ポイントは「強く、早く」。相当ハードであるため、前述した協力者がいるかどうかは大きな差となる。リズムを数えてもらう、疲れたら交代するなど、協力して行なうことが大切だ。

●人工呼吸はしなくていい

 かつて自動車教習所などで「心臓マッサージは人工呼吸とセットだ」と習った人が多いだろう。だが最近は、やり方が変わってきている。国家公務員共済組合連合会立川病院の三田村秀雄院長の話。

「心理的抵抗感も大きいでしょうし、人工呼吸する際に心臓マッサージを中断するリスクの方が高い。窒息などの場合は別ですが、心筋梗塞で心停止に陥った場合、しばらくは全身の血液に酸素が残っている。それを体内に巡らせることが何より大事です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン