国内

自民党参院選戦略 今井絵理子氏婚約者問題で完全に裏目

今井絵理子氏の恋人問題は大きな誤算だった

 今夏の参院選を「憲法改正の最大のチャンス」と意気込む安倍晋三首相の選挙戦略に大きな狂いが生じている。自民党内のスキャンダルの連鎖が参院選の目玉候補にまで広がっているからだ。いまや首相のストレスは頂点に達し、官邸内に、「身体検査はどうなっているんだ」と怒りの声が飛んでいるという。

 最大の誤算は本誌が報じた参院選の目玉候補、SPEED・今井絵理子氏の「婚約者の逮捕歴」問題だ。

「障害を持っている子供たちがより明るい希望をもてる社会づくりをしたい」

 シングルマザーとして難聴の子供を育てる今井氏は出馬会見でそう抱負を語り、「女性が輝く社会」を掲げる安倍政権は彼女を参院選のシンボルとして全国比例に擁立することを決めた。

 ところが、その今井氏は「婚約者」に足を掬われる。同棲相手で元風俗店経営のA氏が昨年3月、女子中学生を含む18歳未満の少女3人にみだらな行為をさせた容疑(児童福祉法違反)で那覇署に逮捕され、処分保留で不起訴になっていたのだ(本誌前々号既報)。本誌前号ではさらに、A氏から「うちの店で働け」といわれて売春をさせられていたという少女(当時17歳)の生々しい証言を報じた。

 未成年の少女を風俗で働かせていた婚約者の行為は今井氏の出馬を妨げるものではないとはいえ、参院選の候補者という公人になる以上、彼女は婚約者の行為についてどれほど把握し、どう考えているのか、有権者に見解を明らかにする責任があるはずだ。この問題は地元・沖縄の自民党関係者の間でも大きな波紋を呼んでいる。

「今井さんの出馬は県連に根回しがないまま党本部のトップダウンで決まった。米軍基地移設問題を抱える沖縄では参院選で自民党の島尻安伊子・沖縄担当大臣の苦戦が予想されている。

 そこで党本部は地元出身のアイドル、今井さんを全国比例で擁立し、島尻大臣とセットの選挙戦で勝利を呼び込もうという戦略のようだが、完全に裏目に出た。沖縄の参院選は『選挙区は自民、比例は公明』と呼び掛ける自公共闘が前提だ。今井氏を比例で擁立すれば自公の票のバーターが成り立たないうえ、今井氏の彼氏のスキャンダルは肝心な女性票まで逃がしてしまう。党の選対本部は事前に彼氏がいるかどうか確認してしっかり身体検査をするべきだった」

※週刊ポスト2016年3月18日号

関連記事

トピックス

三重県津市議会の青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検された(左・Facebookより)
三重県津市議会の“禁断の話題” 公明党・青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検、 調査委員会設置は棄権多数で否決
NEWSポストセブン
新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)
新橋の居酒屋が全国初「路上営業」で営業停止処分 人気店が摘発された背景と野外での”違法営業”が続く事情
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(時事通信フォト、写真は東京都港区の店舗)
【ネズミ混入味噌汁・被害者とのやり取り判明】すき家は「電話を受けた担当者からお詫び申し上げました」 本社も把握していたのに2ヶ月公表しなかった謎
NEWSポストセブン
水原の収監後の生活はどうなるのか(AFLO、右は収監予定のターミナル・アイランド連邦矯正施設のHPより)
《水原一平被告の収監まで秒読み》移送予定刑務所は「深刻な老朽化」、セキュリティレベルは“下から2番目”「人種ごとにボスがいて…」 “良い子”にしていれば刑期短縮も
NEWSポストセブン
歌舞伎町では多くの外国人観光客でにぎわう(撮影/木村圭司)
《全国初摘発》東京・歌舞伎町の「インバウンド向け風俗店」荒稼ぎの実態 客の6~7割は外国人で売り上げは11億円、店からは16か国の通貨を押収
週刊ポスト
眞子さんの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室眞子さんの“ゆったりすぎるコート”に「マタニティコーデ」を指摘する声も…皇室ジャーナリスト「ご懐妊でも公表しない可能性」
NEWSポストセブン
ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)
【「味噌汁にネズミの死骸」で新展開】すき家がネズミ混入を認めて謝罪「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠った」 約2ヶ月にわたり非公表 昨年には大手製パン会社で混入の事例も
NEWSポストセブン
性被害により、バングラデシュの少女が8歳という幼さで亡くなった(地元メディアのFacebookより)
《バングラデシュ・少女殺害事件》「猿ぐつわをつけられ強制的に…」「義父の犯行を家族ぐるみで手助けした」 “性被害隠蔽殺人”も相次ぐ
NEWSポストセブン
原宿駅を降りてすぐに見える「竹下通り」(時事通信フォト)
《潜入レポート》原宿・竹下通りの偽ブランド品販売店にキャッチ男性に誘われ入店 「売っているのは本物?偽物でしょう」と聞くと…キャッチ男性がとった行動
NEWSポストセブン
3月1日に亡くなったフリーアナウンサーのみのもんたさん
《みのもんたさんは焼き肉で…》“誤飲”の恐ろしさ「窒息事故発生件数が多い食品」と「事故が起きた場合に重症となる割合が高い食品」、まったく異なるそれぞれのトップ3
女性セブン
サインと写真撮影に応じ“神対応”のロバーツ監督
ドジャース・ロバーツ監督が訪れた六本木・超高級和食店での“神対応” 全員のサインと写真撮影に応じ、間違えてファンの車に乗ってしまう一幕も
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”女子ゴルフ選手を待ち受ける「罰金地獄」…「4人目」への波及も噂され周囲がハラハラ
週刊ポスト