江戸時代が違和感なく受け入れられたのは、玉木宏さん(36才)にちょんまげがとてもよく似合っていたからです。ただのイケメンではなく、幕末のイケメンも演じられる素晴らしい俳優さんです。
あさと新次郎は、波瑠さんと玉木さん以外にはできなかった。放送開始前からそう思っていましたが、放送を重ねるたびに、その思いがどんどん強くなっていきました。朝ドラの可能性を広げた一方で、決してなくしてはいけない“朝ドラの芯”があることもあらためて気づかされました。それは視聴者に元気や希望を与えることです。
例えば、放送のない日曜の前日の土曜日は、つらい感情を持たれるような終わりかたにはしていません。また、1回の放送は15分間。その15分間の中につらいことがあっても、最後には希望が見えるようにしてきました。
それはこれからも変わりませんから、まだしばらく、あさの物語を楽しんでいただければと思います。
そして、『あさが来た』で、大阪の魅力を再発見できたことも勉強になりました。この時代の大阪の人たちは、次の時代のことを思って生きていました。今よりも素晴らしい未来を作るために頑張ってきた。ぼくらも常に次世代のことを考えなくてはならないと教えられました。
『あさが来た』で元気や希望を与えられたのは、他ならぬぼく自身なのかもしれません。
※女性セブン2016年3月24日号