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カップル専用SNSは「記念日中毒」を助長する

SNSきっかけで記念日中毒に

 2月14日のバレンタインデーに比べると、いまひとつ盛り上がりに欠ける3月14日のホワイトデー。ところがSNS利用者、とくにカップル専用SNSのユーザーにとっては、ホワイトデーも重要なイベントとなっている。アプリの通知に催促されるかのような彼らのあり方は、まるで記念日中毒にかかった人のようだ。

 昨年夏から交際を始めた彼氏とカップル専用SNSに登録している大学2年生の萌絵さんは、最近、アプリによってスケジュールが決められているような気がするときがあるという。

「交際スタートしてから●●日目とか、意識しなくちゃいけないんでしょうか? それ以外にも、初めて2人で●●へ行った日とか、初めて●●した日とか、彼氏がいちいちイベント日に設定するんです。去年のクリスマスくらいまでは物珍しくて私も楽しんでいたんですけど、だんだん鬱陶しくなってきました。アプリの問題じゃないのかもしれませんが、記念日とイベントに追いかけられているような気がしてきました」

 ジャストシステムが今年1月にカップル専用SNSを利用している10代~30代の男女を対象に調査したところ、利用し始める前と比べて、利用したことで2人での外出の機会が増えた人が41.5%(「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計)、記念日や予定を意識するようになったと思う人が71.1%(同前)にものぼった。

 記念日を意識するようになっているのは、その専用SNSアプリに秘密がある。数種類あるほとんどの専用アプリは交際開始日を設定し「今日はつきあい始めてから●●日」とトップページに表示するようになっている。これがカップルの親密度を高めるということらしいが、萌絵さんのように面倒になってしまっている人は少数派らしい。というのも、前出の調査によれば、アプリのおかげで危機を乗り越えたことがある人が37.0%いるからだ。

 記念日が好きなユーザーの傾向を意識してのことだろう、カップル専用SNSのCouplesとBetweenが、まるで示し合せたかのようにホワイトデーに関する調査を発表した。

 Betweenの調査結果は、ホワイトデーに何を渡したらよいのか、何を欲しいと思っているのかについて男女間のギャップがあることを示すもの。そして、もらったプレゼントをSNSに投稿する予定である女性がとても多いことがわかるものだった。何もしない人はわずか37.7%で、Twitterが35.6%、Instagramは24%、Facebookが2.6%と、SNSの投稿に映える写真が撮れるものが喜ばれていることをうかがわせている。

 カップル専用SNS最大手のCouplesは、もう一歩踏み込んだユーザー対象の調査結果を公表している。ホワイトデーに恋人へプレゼントするものは多い順に「既製品のお菓子」(43%)、「手紙」(28%)、「手づくりのお菓子」(25%)となっているのだ。他にはない、自分たちだけの記念日を演出しようと工夫していることがうかがえる。

 カップル専用SNSに限らず、最近のSNSは記念日を喚起する機能が新たに加えられている。Facebookで「●●さんと友達になって1年です」「2年前の出来事」など、何かの記念日を想起させる画面に出くわした人も多いだろう。そして、喜々として引用して投稿している大人が少なくない。近い将来、記念日中毒はカップル専用SNSのメインユーザーである若者たちだけでなく、中高年にも広がっているかもしれない。

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