国内

E.ヴォーゲル氏 日本の発展のために大学9月入学を提案

社会学者エズラ・ヴォーゲル氏 共同通信社

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著書で知られるエズラ・ヴォーゲル氏。その出版から37年、不況が常態化し、隣国・中国の成長を目の当たりにするなか、再び我々は自信を失いつつある。今回、ヴォーゲル氏に「2050年の日本」についてインタビューした。

  * * *
 2050年を見た場合、日本は人口が減って、中国やインドと違って、経済成長も期待できない。日本は今、世界第3位の経済大国ですが、4位、5位と転落して、これまで持たれていたような“優れている国”というイメージはなくなると思います。世界のトップクラスにではなく、ヨーロッパと同じレベルの中間クラスに属する国になると予測しています。

 しかし、予測されるそんな未来を改善していくことはできると思うのです。そのために第一に重要になるのが、本田宗一郎や松下幸之助のように、ハングリー精神が旺盛で、大胆なリスクが取れるオーナー企業が生まれること。日本の大企業はリスクを取らなくなり、すっかり官僚的になってしまいました。サムスンが東芝や日立を追い越してしまったのもそのあたりに大きな原因があります。

 第二に、日本はもっと国際化を進めるべきです。優秀な外国人を雇用していた明治時代と比べても、現在の日本の国際的環境作りはお粗末です。日本人の英語力は40年前と比べれば少しは良くなったものの、まだ十分とは言えない。

 大学ではどんどん英語を使うようにすべきでしょうし、他国に合わせて、大学を9月入学に変更して、優秀な外国人を呼び込むべきです。

 日本企業の国際化も重要です。全世界の情報が集まって来るシリコンバレーには、中国やインドの企業は数多く進出していますが、日本企業も、もっと進出すべきでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 落合博満の巨人入団をめぐって議論白熱「どう転ぶかわからないけど、ボクは落合を獲るのがいいと判断した」
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン