ビジネス

グループ意識が希薄な「三井」だが危機となれば話は別

グループ意識が希薄な「三井」だが(三井物産)

「金曜会」「二木会」「白水会」という名前の会合が、それぞれ月1回、都内で開かれている。「組織の三菱」「人の三井」「結束の住友」と評される3大財閥が開く、グループ企業のトップが集う社長会の名称である。

 三井の社長会「二木会」では毎月第2木曜日に三井グループの中核企業の社長が集まり、情報交換を行なう。

「二木会は社長の交流会のような会合です。会では三井住友FGのトップが金融業界の動向について報告したり、三井物産の社長が資源価格の推移や国際情勢の展望を語る。あくまで親睦の場だが、第一線のトップから生の情報を得ることで、様々な商売のヒントになる」(三井グループ関係者)

 三菱の「金曜会」は原則全員参加だが、三井は「人の三井」らしく、個人の裁量に委ねられる。

「オブザーバーであるトヨタ自動車の豊田章男社長は“名古屋にいるので来られない”とのことでここ数年、見ていない。富士フイルムや東レもあまり来ないし、不正会計問題の東芝も最近は出席していない」(前出・三井グループ関係者)

 グループ意識が希薄なのも三井の特色で、三菱グループが「上司にいわれるからキリンしか飲まない」(三菱重工業社員)というのに対し、「三井グループのなかですら、サッポロが三井系と知られていない」(三井グループ関係者)という具合である。

 もっとも、そんな緩いつながりでも、グループの危機となれば話は別だ。1998年、グループ内のさくら銀行(現在の三井住友銀行)が経営危機に陥った際にはグループ各社が増資を引き受け、二木会メンバーのトヨタ自動車も加わった。いざという時に組織で助け合うのは「人の三井」といえども三菱と共通しているのだ。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト