ライフ

首都圏でのマンション購入 専門家も注目の割安エリアとは

「局地バブルに踊らされないマンション選びを」と榊氏

 東京都心のマンション市場はバブル化している。中には、あの平成バブルの価格を超える現象も起き始めた。こういう時代、普通のサラリーマンはマンション購入を諦めるべきなのか? それとも、じっと下落期を待つべきなのか? 住宅ジャーナリストの榊淳司氏がアドバイスする。

 * * *
 今回のバブル、前2回とは違う大きな特徴がある。それは、あの平成バブルを超えるほどの値上がり現象が見られるのは、ほんの一部の地域だけなのだ。それも、富裕層や外国人が買いたがる都心の人気エリアがバブル化しているだけであって、郊外はもちろん地方都市でもバブルというほど値上がりしているところは僅少。

 私は今回のこの現象を「局地バブル」と呼んでいる。都心エリア以外でも、新築マンションの価格は概ね値上がり傾向にある。というのは、ここ5年ほどの間に建築コストが急上昇し、高止まり状態にあるからだ。

 東北地方の復興事業がトリガーを引いたのだが、それ以前にも建築現場では慢性的な人手不足に陥っていた。それが建築コストに跳ね返り、結果的に新築マンションの価格も押し上げたのだ。

 しかし、すべての地域で建築コストの値上がり分が価格転嫁されているわけではない。中には需要が限られているのにも関わらず、それを大幅に上回る物件数が供給されたことで、激しい競合が巻き起こっているエリアもある。

 そういう市場では、往々にして価格競争になるので建築コストが価格に転嫁されていないように思える。つまり、普通のサラリーマンでも「手が届く」価格帯で新築マンションが販売されているのだ。

 具体的に、どこがそういうエリアなのか、ここで紹介したい。まず、首都圏では神奈川県川崎市の川崎区。

 このエリアは、大規模マンションに適した土地が出やすい。だから、近年は200戸以上の規模を誇る大規模マンションが数多く供給された。今も、完成したのに完売していない大規模マンションが複数販売中である。

 具体的な物件名を挙げると「マークウィング川崎」、「グレーシアシティ川崎大師河原」、「リヴァリエ」などだ。〈3LDK、2980万円から〉といった住戸も販売中だ。

 リヴァリエは首都圏で購入できるタワーマンションの中では、最もリーズナブルな価格設定ではなかろうか。同じ川崎市内でもバブル現象が見られる武蔵小杉駅前エリアで販売中のタワーマンションと比べると、半額程度で買える住戸もある。

 東京23区内では、板橋区の三田線沿線。このエリアも長年にわたり供給過剰が続いたことで、市場が希薄化している。地元から需要が湧いてこないのだ。そうなると、最終的には価格的な魅力で他エリアからの集客を呼び込むしかない。

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン