ひとつ物件名を挙げると、全418戸の「パークホームズ板橋蓮根」。平均坪単価は100万円台の後半かと推定される。売主は、業界のリーダー的存在である三井不動産レジデンシャル。23区内の三井ブランドで、しかも地下鉄の最寄り駅まで徒歩4分という好条件にあることを考えれば、かなり注目度は高い。

 23区では他に北区が従来からお買い得エリアだったのだが、ここ数か月は割安物件が減ってきた。今後は、価格を高くしたことで完成在庫になった物件の値引き販売が多発する、「値引き常態化エリア」になりそうな予感がする。

 近畿方面では現在のところ、とくにエリアに偏った「割安地域現象」は見られない。ただ近畿エリアのマンション市場には、首都圏ではほとんど見られない特性がある。それは、「安く売る」ということを事業コンセプトにしているマンションデベロッパーの存在感が強いのだ。その代表的な存在がリバー産業と睦美建設。

「リバーガーデン福島 木漏れ日の森」というマンションのオフィシャルページをみると、やはり〈3LDK 2900万円台より〉という表示が見られた。睦美建設の「パデシオン京都大久保 ザ・グランドレジデンス」では〈広々4LDKが2,700万円台~ 月々7万円台~〉だそうだ。ともに立地のブランド力がない分「価格で勝負」している。

 この2社、近畿エリアではよく知られた企業で、決して中小弱小ではない。実績も十分にある。こういう企業、首都圏にも現れて欲しいものだ。

 建築コストの増大により、確かに新築マンションの価格は上昇気味である。しかし、市場価格は最終的に需要と供給の関係で決まる。マンションを買う個人の所得が上がらないどころか実質的に減少している昨今の経済状況では、コストが上がったからと言って価格に転嫁しても、いずれは市場からそっぽを向かれる。

 購入側も、ここはバブルに踊らされず、惑わされず、冷静に市場を眺めて賢く選びたいところだ。

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン