ライフ

年収300万円で都心に通えるマイホームを手に入れる方法

マイホーム=新築の考えを改めれば夢も広がる(イラスト:アフロ)

 住宅ローン金利の低下に伴い、「夢のマイホーム」取得を真剣に考えている人も多いはず。だが、都市部に程近い新築マンションを購入しようにも、バブル期並みの価格高騰でとても庶民に手が届くような物件は少ない。

「諦めるのはまだ早い」と話すのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏だ。同氏が年収300万円でも無理なく買えるマイホーム取得術を伝授する。

 * * *
 世の中、景気が良くなっているという感覚はない。それもそのはずで、庶民の懐はちっとも潤っていないのだ。

 厚生労働省が発表している1世帯当たりの平均所得の推移を見ると1994年の664.2万円を頂点に2015年には528.9万円まで落ち込んできている。その間、消費税は上がった。円安で光熱費等も上がっている。つまり、庶民の生活は苦しくなった。

 ところが、ここ2年ほどで新築マンションの価格は急上昇している。統計数字だけ見ていると、あの平成バブル期を超えているものまで出てきた。それで、売れているのか?

 実際のところ、ある程度は売れている。東京の都心や京都市の御所周辺エリアでは、まるでバブル期のような売れ方をしていた。ただ、2016年に入ってその勢いに陰りが見られる。しかし、まだ値下がりするようなところまではいっていない。富裕層やリッチな外国人が買い勢力の主要プレーヤーになっているのだ。

 一方、庶民向けの郊外型マンションはここ数年、ずっと販売が不調。世帯所得が上がっていないのだから、一般庶民には「マンションを買う」というモチベーションが生まれにくい。それでも、建築費の高騰につられて郊外型の新築分譲マンションも値上がりし始めた。一般庶民はますます買いにくくなっている。

「これではマイホームは諦めるしかない」
「建築費が下がる五輪後まで待つのがいいのか」

 年収が高くない中小企業サラリーマンからは、そんな声が聞こえてくる。だが、そんなことはない。たとえ年収が300万円であっても、マイホームを購入することは可能だ。

「それは、都心に通えないほどの郊外だったら……」

 普通に考えるとそうなる。しかし、現実は諦める必要はない。東京の都心へ通える場所でも、工夫次第でマイホームを手に入れられる。

 一例をあげよう。大手町へ40分ほどでアクセスできる東武伊勢崎線「新田」駅から徒歩5分の埼玉県草加市にある3DK 、61.6平方メートルの中古マンションが980万円で売り出されている。ただし築37年。イトーヨーカドーへは徒歩2分だとか。

 実は、首都圏でも少し郊外に行けば築30年以上のマンションや一戸建てが1000万円未満で売り出されている。関西圏や東海圏も含めて、数百万円で購入できる中古マンションはいくらでもあるのだ。

関連キーワード

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン