金正恩は、絵に描いたような王子様だと思うよ。政治家や指導者っていうのは、いろんな失敗やら挫折を経験して、角が丸くなっていくものなんだけど、金正恩はひとつも辛い経験をしてないから、純粋なままで独裁者になっちゃった。お父さんの金正日はおそらくそこを狙って後継者にしたんだと思う。金正男は多少いろいろ経験しちゃってるからふさわしくない。そういう意味で、金正恩は頭の中が少年のままだから、ちょっと怖いね。
──そもそも最終的に北朝鮮は何が目的なのでしょうか?
高須:いまの北朝鮮政府がどう思っているかはわからないけど、キューバみたいな国になることが理想なんじゃないかな。たしかにキューバの経済は決して良好ではないけど、社会主義国としては悪くはない。アメリカとの国交も回復したけど、極端な話、キューバとしてはどっちでもいいことだったと思うんだよ。貧しいながらもここまでやってこられたんだからね。
経済が悪くても、国がそれなりに安定していたという意味で、キューバは北朝鮮にとってのひとつの目標になると思う。そうなるには、気候の問題や国民の問題なんかももちろん関係してくるんだけど、北朝鮮もあと10年とか15年とか耐え続ければ、いつの間にかそれなりに安定した国になってるかもしれない。可能性は低いかもしれないけどね。
でも、北朝鮮がキューバみたいになった時は、アメリカも韓国も「和解の時が来た」ってことになるだろうね。それこそが国交正常化の時だよ。
──なるほど。とにかくいまは、安定するまで耐えるしかない、と。
高須:そうそう。実際問題として、他国と戦争しても勝てないんだからさ。現時点ではキューバになることを目標にするしかない、ってね。
でも、本当にキューバみたいな国になるっていうのは悪くはないと思うよ。観光地としても魅力的でしょ。安全さえ確保できるのであれば、平壌に行ってみたいっていう日本人もたくさんいると思う。だって未知の世界だもんなあ。僕もすごく興味があるよ。
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北朝鮮の現政権は幼稚であるとしながらも、平壌への旅行には興味津々の高須院長。ぜひとも平壌旅行を実現して、現地の様子を教えていただきたいものです!
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)など。最新刊は『ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲』(5月25日発売予定 小学館)