人にはそれぞれ“天職”というものがあるというが、ふとしたきっかけで“天職“を確信し、周囲を困らせてしまうことも…。東京都に住む主婦のKさん(45才)は、急に“天職”を見つけたという夫(45才)に困り果てている。
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男の料理番組を見て、「料理ができる男性はいいな」と言ったら、夫はスマホのレシピアプリを見ながらキッチンへ。あっという間に料理にはまり、娘に「パパ、すごい。ママの料理よりおいしい」と褒められるまでに。
でも、おかしいなと思ったのよ。平日も、朝から台所にこもりきりなんだもの。心配になって、「会社は大丈夫?」と聞いたら、サラッと「大丈夫。2か月前に辞めたから」だって!
思わず、「何~ッ! 今何て言った!」と夫の胸倉をつかんで殴りそうになったわ。
夫いわく。料理を始めてすぐに、「これは天職、生涯の仕事にしよう」と決心したけど、私に言ったら絶対に反対される、だから黙って調理師の免許を取りに学校に通っていたんだって。
頭にきたのはこの後。「店開きたいんだけど、オレ、人見知りだろ。客の話し相手は無理だろ。友達もいないだろ。どうしよう」って、こう言うのよ。
「冗談じゃない、離婚だ」と騒いだものの、結局、私も会社を辞めて、貯金をはたいて銀行からも大借金。来月開店させるんだけど、夫は私の顔を見れば、「どうしよう」を連発。そのたび、「コノヤロウ~ッ」と心の中で拳を握りしめる私。
開店するまでに、私の人相、すごく悪くなる気がする。
※女性セブン2016年5月26日号