ビジネス

日の丸家電に芥川賞作家・長嶋有氏「効率優先で逆境に」

作家・長嶋有氏

 鴻海精密工業に買収されたシャープ、不適切会計問題に揺れる東芝など、日本の家電メーカーには厳しいニュースばかりが続いている。しかしながら、長年培ってきた技術力、商品開発力は伊達ではない。中国人が欲しがるのも、やっぱり日本の家電だ。いま一度、「日の丸家電」の強みを見直そうではないか。

 現代文学で描かれる電化製品を語った『電化文学列伝』の著者である芥川賞、大江賞作家の長嶋有氏が、かつての日本家電の魅力と今後への期待を語る。

 * * *
 1980~1990年代、ソニーを筆頭とする日本の家電メーカーは本当にカッコ良かった。ロボット犬の「AIBO」を商品化しただけでもすごいし、ノートPCの「VAIO」はiMacに負けないデザインだった。当時はゲーム機の覇権をめぐる競争も面白かったし、PHSという日本独自の携帯電話を普及させようとする野心もあった。だが、この10年で目に見えて体力が落ち、元気を失っている感がある。

 変化の一つに「競争がなくなったこと」がある。有名なVHS対ベータだけでなく、テレビゲームやメモリーカードの規格争いなんかも、何でもかんでも争っていた。全体でみれば効率的でないけど、尋常でない意地の張り合いや、個人の思いが商品にも垣間見え、それが面白かった。

 効率を優先していくと、どれも似てくる。ソ連が密かに開発してたスペースシャトルが米NASA版とそっくりだったけど、自動車も家電も自然に画一化され突飛な製品が生まれなくなる。それが今の逆境につながったように見える。

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
新キャストとして登場して存在感を放つ妻夫木聡(時事通信フォト)
『あんぱん』で朝ドラ初出演・妻夫木聡は今田美桜の“兄貴分” 宝くじCMから始まった絆、プライベートで食事も
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン