コラム

首都圏新築マンション 対前年で最も上昇したのは港区の73.5%

首都圏新築マンション市場はどうなっている?

 首都圏の新築マンションの価格は3年連続の上昇となっている。その背景には何があるのか、不動産の市況調査を手がける東京カンテイ市場調査部の井出武・上席主任研究員が解説する。

 * * *
 首都圏の新築マンションは物件の供給数は減少しているが、価格自体は上がっている。2015年の首都圏の新築マンション一戸平均価格は前年比11.4%増の5183万円に達し、3年連続で上昇した。

 ミニバブル期の2008年(4662万円)の水準を超え、5000万円台突入を果たしたのは、昨年、高額所得者や投資家を対象にした「さらに高額な好立地物件」などが都心部で集中的に供給されたことが影響したと考えられる。

 2015年の平均坪単価も前年比13.7%増の276.8万円と、ミニバブル期の状況と酷似している。エリア別にみると、対前年で上昇率も平均坪単価も最も高かったのは港区で、上昇率は73.5%、平均坪単価は664.5万円に上った。同区で一気に数字が跳ね上がったのは、供給量が少ない中、全戸が億ションの大型高額物件が売り出されたことによる。

 2番目に平均坪単価が高かったのが千代田区で472.6万円(上昇率は前年比26.6%)。次いで渋谷区469.2万円(同12.7%)、品川区397.2万円(同37.5%)と続き、都心のブランド地区は一般庶民には手が出しにくい高価格水準を維持している。

 一方、都下(23区を除いた市町村)では、価格の低下が目立った。吉祥寺を擁する武蔵野市の2015年の平均坪単価は前年比9.7%減の302.4万円、同じく人気エリアの三鷹市は同18.6%減の231.3万円だった。都下で最も下落率が大きかったのは立川市(同38.4%減の200.5万円)だったが、これには前年の価格が大型高額物件の供給によって例年より高くなっていたという事情がある。価格についてはエリアによって濃淡があるが、共通しているのは、やはり新築マンションの供給量が少ないことだろう

※マネーポスト2016年夏号

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン