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2016.06.24 07:00  週刊ポスト

岩城滉一 大事故を経験してもレースに携わり続ける理由

ツインリンクもてぎに立つ岩城滉一

 耳をつんざくレーシングバイクのエンジン音、焼け焦げたタイヤの匂い、サーキットに轟く観衆のどよめき─興奮に包まれた「全日本ロード選手権シリーズ第3戦」の開催地・栃木県茂木町の「ツインリンクもてぎ」。だが、キャンピングカーで到着した岩城滉一(65)の顔色は冴えなかった。

 代表を務める「51ガレージチームイワキ」のあるピットに入るなり、額に脂汗を浮かべる旧知のライダー・宗和孝宏に駆け寄る。朝の練習走行で転倒して紫色に腫れ上がった右脚に触れ、「無理するなよ」と彼の肩を叩いた。

「何度も悲惨な事故をこの目で見てきたからね。下半身不随になったり、命を落としたライダーもいた。転んだって聞くと、たとえチームの仲間じゃなくても心拍数が上るんだよ」

 国内最高峰の「全日本F3000選手権」など、多くのレースに参戦してきた岩城自身、転倒して指を切断するなど、大きな事故を経験、今も首に後遺症を抱えている。それでもレースに携わるのは、単にスピードやスリルが好きだからという理由だけではない。

「うちのチームには20歳以下の若い子が3人いるけど、学校でいじめられたり、自閉症気味だったりで、苦しんでいた。でも、バイクは好きだと聞いて、大人としては面倒をみなきゃいけないと思ったわけ。自分のために頭を下げたりはしないけど、若い子のためなら頭を下げられる。でも、彼らも大人の中にいるから、俺も礼儀や挨拶にはうるさいし、叱るときはきっちり叱る。怖いジジイだと思ってるはず(笑い)」

 芸能生活40年を超える岩城は、独特の色気とユーモラスな一面を併せ持つベテラン俳優だが、バイクにクルマ、クレー射撃やダイビング、ゴルフなど、趣味の人としても知られる。

「どれが一番好きかってよく聞かれるけど、順番なんてありません。その瞬間、やりたいと思ったものをやってきたし、何かを極めたいとか思ったこともない。仕事は声がかかるからするんであって、2年くらい何もしない時期もあったけど、遊びに忙しくて仕事なんて忘れてました」

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