ライフ

玉岡かおる 桂由美がモデルの小説で女の生き様の歴史描く

小説『ウエディングドレス』の作者・玉岡かおるさん

 世界的ブライダルファッションデザイナー・桂由美さんをモデルにした小説『ウエディングドレス』(幻冬舎刊・1728円)は、花嫁衣装をキーワードに、戦後70年の女の歴史をリアルに描いている。執筆した作家の玉岡かおるさん(59才)に、本に込めた思いを聞いた。

 * * *
――ミシンの描写は、ボディーや糸の棚の配置まで鮮やかに描かれている。当時の洋裁学校の様子を詳細に描けたのは両親のおかげでもある。

 母は31年前に亡くなっていて、残念ながら当時の話は、昔、聞いたきり。でも、父が撮っていた8ミリ映像が残っていたんです。当時は珍しかったと思うんですが、新しもの好きな人だったんです。

 この映像を見ることで、母が校長をしていた洋裁学校の様子を見ることができました。戦後の貧しい時代、みんなが大八車を引っぱりながらミシンを搬入していく様子とかが。生徒さんたちはきゅーっとウエストをしぼった、ヘップバーンみたいなドレスを着て、本当にキラキラしていました。私はまだ生まれてなかったけど、そこに立ち会えた感覚があって。母の思い出と重ね、書いていてとても楽しかったです。

――ウエディングドレスと聞けば、さぞ華やかで軽やかな美しい話かと思うかもしれないが、本作は、戦中戦後を苦労して生き延びた女性たちへの敬意が込められている。

 あの時代の女性たちは本当に苦労してると思うんです。女としておしゃれをする楽しみも奪われ、相手の顔も知らずに嫁にいかされた。でも戦後70年、時代が変わり、女性の生き方も変わり、結婚観も多様化してきましたよね。“ウエディングドレス”は女の生き様の歴史だと思うんです。

――玉岡さんは2年前、「一緒に子供を育てる戦友としての夫婦の形は卒業」と、本誌インタビューで“卒婚”を宣言していた。その後はというと…。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン